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2014年11月7日金曜日

画家 エーリッヒ・ブラウアー

 


ウイーン幻想派の画家シリーズの4回目である。今回は、この幻想派グループの異端者と言ってよいエーリッヒ・ブラウアーの紹介をしたい。 

画家 エルンスト・フックス 画家 ルドルフ・ハウズナー  画家 ヴォルフガング・フッター

エーリッヒ・ブラウアーのWikipedia 日本語ページはない。 一番充実しているのは、ドイツ語のページ。 Arik Brauer  ドイツ語を訳すのは、面倒なので、英語ページで代用する。

Arik Brauer (4. Jänner 1929 in Wien; bürgerlich Erich Brauer)

Austrian painter, draughtsman, printmaker, poet, dancer, singer and stage designer. He resides in Vienna and Ein Hod, Israel. Brauer is a co-founder of the Vienna School of Fantastic Realism, together with Ernst Fuchs, Rudolf Hausner, Fritz Janschka, Wolfgang Hutter and Anton Lehmden.

(我流の日本語訳) エーリッヒ・ブラウアー (1928年1月4日 ウイーン生まれ) は、オーストリアの画家、版画製作者、詩人、ダンサー、歌手で舞台演出家でもある。 彼は、ウイーンとイスラエルのアイン ホッドに居住している。 ブラウアーは、エルンスト・フックス、ルドルフ・ハウズナー、フリッツ・ヤンスカ、ヴォルフガング・フッターおよびアントン・レムーデンと共にウイーン幻想派を創始した一人。


Arik Brauer at the Galerie Latal,
Zurich 1991 by Monica Boirar

Arik Brauer in 2009


そうなのです。 エーリッヒ・ブラウアーは若い頃から、詩人で、ダンサーで、歌手で、舞台演出家でもある恋多き人生を送った画家です。ボヘミアンですな。

Arik Brauer 若い頃の写真。俳優みたいだね。

現在も多方面の才能をもつ”カッコいい”お爺さんなのである。



Arik Brauer (Wien 2009)

娘さんは、ジャズ歌手の ティナ・ブラウアー。 



Timna Brauer

手持ちの 『ウィーン幻想絵画展図録』 朝日新聞社 から彼の経歴を引用する。 小説家の
種村季弘が書いた、 『迷宮の魔術師たち―幻想画人伝』 求龍堂(1985) も参照。 
 
 
1929年1月4日、ウィーンで生まれる。父親はユダヤ系リトアニア人で畸形足専門の靴職人だった。2歳半のとき田舎で仔牛のデッサンをして以来、9歳になるまで動物の絵ばかり描く。

1942年~45年、ナチスの強制労働に従事。

1945年、 ウィーン美術学校に入学し、ギュテルスロー教授に師事する。ハウズナーらが創設したウィーン・アートクラブに参加。

1951年~1952年、 フランス、北アフリカ、中東を旅行。リュート奏者フォークシンガーダンサーとして各地のナイトクラブに出演して生活費を稼ぐ。途中、イエメンで現地女性のネオミと結婚。パリで芸能生活を続ける。

1952年、 イスラエルに滞在。昼の間は絵を描き、夜はネオミと歌手やダンサーをして暮らす。

1954年、 パリの画壇で歓迎される。この頃よりブラウアーらしい技法が完成される。

1961年~72年、 ウィーン、パリ、イスラエルと転々としながら創作活動をおこなう。
70年にはチューリッヒのボマルゾ・オペラ劇場の舞台装飾を手がける。

1966年、 代表作、『シナイ山の水飲み男』を描く。

1972年、 ウィーンのメデア・オペラ劇場の舞台装飾を担当。

1982年、 アメリカで個展を開き成功をおさめる。

ほかにもウィーンやイスラエルで複数の建築プロジェクトに参加し、数多くの壁画、床絵、装飾を手がける。

これが、代表作と言われる、『シナイ山の水飲み男』。 画像が見つからなかったので、手持ちの画集からスキャンした。 そんな訳で画質は悪い。




という事で、この記事の目的である彼の絵画を見ていこう。 例によって絵画の題名は煩わしいので省略する。












 


 



 



なんか、シャガールの影響が見てとれますね。

これで、エーリッヒ・ブラウアー編はおしまい。 つぎは、アントン・レームデンの予定だが、いつアップするかは今のところ不明。

(追記: エーリッヒ・ブラウアーヴォルフガング・フッターは、ウィーンゴールドメダルというのを受賞した。大きな賞らしい。2人とも良い笑顔をしている爺さんである。

2011: Arik Brauer (L) und Wolfgang Hutter bekommen das "Goldene Ehrenzeichen für Verdienste um das Land Wien"
2011: Arik Brauer (L) und Wolfgang Hutter bekommen das "Goldene Ehrenzeichen für Verdienste um das Land Wien"
 

 
 

 

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