の中に あすへの話題 という日本経済新聞に昭和49年7月12日から12月27日まで毎週連載されていたエッセイが載せられている。
そこには、動物や植物、愛玩物に対して、触発された辻井 喬の想いが述べられている。
御存じと思うが、辻井 喬とは堤清二のことである。 2013年11月25日に86歳で亡くなられた。覚えておられる方も多いと思う。 Wikipedia よりの引用。
堤 清二 / 辻井 喬 (つつみ せいじ/つじい たかし) | |
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ペンネーム | 辻井 喬(つじい たかし) 横瀬 郁夫(よこせ いくお) |
誕生 | 堤 清二(つつみ せいじ) 1927年3月30日 |
死没 | 2013年11月25日(満86歳没) |
職業 | 実業家・小説家・詩人 |
言語 | 日本語 |
国籍 | 日本 |
教育 | 博士(経済学)(中央大学・1996年) |
最終学歴 | 東京大学経済学部 |
ジャンル | 小説・詩・随筆 |
代表作 | 『虹の岬』(1994年) 『父の肖像』(2004年) 『鷲がいて』(2006年、詩集) |
主な受賞歴 | 室生犀星詩人賞(1961年) 平林たい子賞(1984年) 高見順賞(1993年) 谷崎潤一郎賞(1994年) 芸術選奨(2000年) 藤村記念歴程賞(2000年) 野間文芸賞(2004年) 日本芸術院賞・恩賜賞(2006年) 現代詩花椿賞(2006年) 読売文学賞(2007年) 現代詩人賞(2009年) |
親族 | 堤康次郎(父) 堤義明(弟) 森田重郎(義弟) |
実業家としても、文学者としても大きな業績を残された方である。
あすへの話題 で取り上げられた各話題について、今回は画像つきで辻井 喬の言葉を選びだしたい。 文章は恣意的に選んでいるので、本来の彼の作品自体とは何の関係もない事を注意しておく。揶揄したり冒涜している積りは全くありません。ある意味でパロディーの積りです。何回か不定期でつづける予定。
一本の匙
たとえば一本の匙を見たときに、ある人は、「これは純金か合金か」と考えるであろうし、商人は産地と小売価格を知りたいと思い、かって文学少年であった男は、中勘助の「銀の匙」という作品を想起するに違いない。
今「銀の匙」というと、これしかないですね。
映画も面白かったですね。
一本の匙が語り掛ける内容は、見る人、触れる人によって無限のひろがりと深さを持っている。生活の道具は、人間にとってしばしば、歴史社会の代表者として存在している。
まあ、こんな風にずっこけ紹介の予定です。
カラス
一日、青嵐の吹き荒れたような日、夕焼けに染まる西の空を背景にして、漆黒のカラスが鳴き叫び、散らばり、もつれ、にわかに上昇し下降するさまは、いささか不気味であった。
実は、上の画像はアニメです。実物のカラスの群の画像はこれです。
やはりというか、余り迫力はない。
有名なポーの「大鴉」と言う作品
有名なポーの肖像写真と、映画 THE RAVEN の一シーン。
紫陽花
この花の色は、日ざしの強さ明るさ、雨の強弱、そして時の経過に従って、青から紫、臙脂、薄紅色を経て白へと、その変化には限りがない。しかし、よく見るとそれは一つ一つの萼が独立して変わることによって、花全体の色調が広がり移ろっていくのだ。
そういえば、葛飾北斎の絵に紫陽花を描いたものがある。
あじさい
ホタル
蛍のことは、むかし’’火垂る’’または’’星垂る’’と書いた。源平の戦いに敗れて、山奥逃げた落人の呼び名だという話を、どこかで読んだような記憶もある。
平家の残党を追ってきた軍団が、夜の峠に立って見渡すと、はるか遠い谷間に点滅する火が見えた。「さてこそ」と勇み立つ武士たちにむかって村人が「あれは、星垂るの光だ」と偽ってかばった、という話である。
連想で思い出すのは名作アニメ「火垂るの墓」ですね。原作は、野坂昭如で、アニメ監督は高畑勲監督です。
感動的な作品です。
カタツムリ
ピレネー山脈のフランス側の山間には、数百年を経たと思われる村が散在し、遠くからながめると、緑の滴りに浮かぶ枯葉色の砦のようだ。
そのなかのある村に、野生のカタツムリを料理するレストランがあった。
創造的な仕事にとっては、情報や現象を主体性の深い部分において受け止める忍耐が必要だった。どんなに遅々としていても、蝸牛の歩みは、決して蝸牛以外の歩みではないことの結果として、夏でも雪をいただくピレネーの山頂に到着するのだから。
人を励ますような良い文章ですね。これを引用したかったわけです。
実際のカタツムリは、繁殖力旺盛で至る所で縄張りを広げている。 例えば、アフリカマイマイはアメリカのフロリダにまで進出している。
こんな動画がある。
米フロリダ(Florida)州では、人間とアフリカからやってきた「巨大カタツムリ
「巨大カタツムリ」と人間の仁義なき闘い
以下つづく。あすへの話題シリーズは、時々連載する予定。 今回はこれでおしまい。
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