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2015年8月30日日曜日

石垣・西表島旅行記 VIII 西表野生生物保護センター

由布島観光を終えて、西表野生生物保護センター(IWCC)へ向かった。距離的にはわずかで、車で10分少々である。地図の右中央、赤丸で示されている。




環境省の管轄である。そのホームページより:

西表野生生物保護センター(IWCC)は、イリオモテヤマネコの保護活動の拠点として整備された施設です。みなさんにイリオモテヤマネコをはじめとする西表島の自然について知ってもらい、野生生物や自然環境保全への理解や関心を深めていただきたいと思っています。

西表島と言えば、私に真っ先に思い浮かぶのがイリオモテヤマネコである。小学生のころから、私も切手を収集していたのだが、学生のころには発行されていた「自然保護シリーズ切手」の1枚にイリオモテヤマネコを描いたものがあり、その見事な凹版印刷で強く記憶に残っていたのだ。


特別天然記念物であり、実物に遭遇するのは難しいのだが、センターで見られるのでないかと思い出かけた。しかし、現在保護している個体はないという事で、生きている実物には会えなかった。

この施設です。

 


入り口は、2重になっている。消毒マットが敷かれており、カエルツボカビ菌(カエルに病気を起こす)が入るのを防いでいる。同様のマットは、大原港、上原港にも設置されている。



パンフ

Wikipediaによるデータ。絶滅危惧種に指定されている。
 
イリオモテヤマネコ
イリオモテヤマネコ剥製(国立科学博物館)
イリオモテヤマネコ剥製(国立科学博物館)
保全状況評価
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 CR.svg
分類
:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:哺乳綱 Mammalia
:ネコ目 Carnivora
:ネコ科 Felidae
:ベンガルヤマネコ属 Prionailurus
:ベンガルヤマネコ
P. begalensis
亜種:イリオモテヤマネコ
P. b. iriomotensis
学名
Prionailurus bengalensis iriomotensis
(Imaizumi, 1967)
シノニム
Mayailurus iriomotensis
Imaizumi, 1967
Felis iriomotensis (Imaizumi, 1967)
和名
イリオモテヤマネコ
英名
Iriomote cat
Iriomote wild cat
Iriomote-wilold-cat-distrib.png
イリオモテヤマネコの生息図


イリオモテヤマネコ(西表山猫、Prionailurus bengalensis iriomotensis

哺乳綱・ネコ目(食肉目)・ネコ科・ベンガルヤマネコ属に分類される、ベンガルヤマネコの亜種。
1965年、沖縄県の西表島で発見された。20世紀に入って発見された中型以上の哺乳類は稀有であり、当初は、ネコ類でも原始的な形質を有する新属・新種と発表された。しかし、現在は遺伝情報の分析により、独立種ではなく、アジア東部に生息するベンガルヤマネコの亜種に分類されている。国の特別天然記念物。

センターでは、西表野生動物に関する資料や剥製などが展示されている。館内は撮影可。

1階部分は、展示場が2階まで吹き抜けになっている。そこでは、西表島地理や、野生動物に関するビデオが放映されている。

 


中央円筒部分の内側の展示。 中央に西表島の鳥瞰地図があり、周りを島の写真や沖縄民謡の歌詞が取り巻いている。



西表島に生息する動物の剥製。

イリオモテヤマネコ


その他の動物の剥製。



イリオモテヤマネコについで特記すべきは、カンムリワシ

東南アジアに広く分布し、日本では石垣島、西表島に留鳥として生息します。
八重山では「鷲ぬ鳥節」という民謡にも歌われており、もっとも身近な猛禽類です。

そのゆるキャラも存在する。

ぱいーぐる
ぱいーぐる
所属:沖縄県石垣市「ぱいーぐる」
 
沖縄県石垣市に2013年3月7日に開港した《南ぬ島(ぱいぬしま)・新石垣空港》のマスコットキャラクターとして誕生しました。
沖縄県石垣島・八重山諸島に生息する特別天然記念物「カンムリワシ」をモチーフにしています!
2014年空港開港1周年を機に、石垣市公認のマスコットキャラクターになる。


ところで、このセンターの目的は、イリオモテヤマネコの保護なのだが、現実は自然環境下での保護育成ではなく、交通事故にあった個体の保護と治療が主になっている。
 
センターの職員の方に、イリオモテヤマネコの調査、保護の現状についてレクチャーを受けることができる。申し込んで人数が集まれば、常時行ってくれる。
 
その説明をかいつまんでのべる。
 
1.イリオモテヤマネコは、現在100頭前後生息しているとされる。
2.センターでは、個体数や行動圏、個体の健全性等を調査している。
3.事故にあった個体の治療や臨床病理検査などをおこなう。
 
別棟にはこのような、イリオモテヤマネコ専用の診察台が置かれている。レントゲンの撮影機もある。
 

この別棟には、怪我した個体を治療、回復を図るためのリハビリ部屋もある。写真はそのための檻。元気になると、ここから出して広い部屋で保護する。現在は空き部屋。
 
 
 
4.元気になれば野生復帰させる。
5.交通事故防止キャンペーンを行っている。
 
その説明をIWCCのホームページからコピペ。(許可してください)
 
西表島の幹線道路は、ヤマネコをはじめとする生きものたちにとって大切な、自然環境豊かな生息地の中を通っています。

道路には、カエルやカニ、ヘビやトカゲ、シロハラクイナなど小さな生きものたちはもちろん、ヤマネコ、カンムリワシ、キンバト、セマルハコガメなど希少な生きものたちもたくさん現れます。

幹線道路の制限速度は40km/hです(集落内はもっとゆっくり)。

集落を一歩出たら、そこはもうヤマネコの森です。
どうか、生きものたちの「おうち」の中を横切っているのだ、と感じてあげて下さい。そして、生きものたちが飛び出してきても止まれるスピードで走ってあげて下さい。
特に、ヤマネコにとっては交通事故問題が深刻です。
夕方暗くなる頃~夜にかけて運転する方は注意して下さい。
危険箇所にはゼブラゾーン、道路標識、移動式看板(最新の目撃情報によって移動)があります。


移動式看板写真ゼブラゾーン
止まれる速さで優しい運転 制限速度で走ろう





道路標識


 
また、西表島の幹線道路には、ヤマネコなど生きものたちが危険な道路にあがらなくても無事に横断できるように、道路の下にトンネル(アンダーパス)がたくさん入っています。

でも、あまり人が近づくと、警戒心の強いヤマネコは、せっかくのアンダーパスを利用せず、道路上にあがってしまうかもしれません。

アンダーパスはむやみにのぞかないようにして下さいね。

アンダーパス
 
 
上に述べられているように、緊急の課題は、交通事故防止である。 2013年には年の交通事故が起きている。
 
センターの記事より:
 
イリオモテヤマネコの生息を脅かすものの中で、交通事故は今一番深刻な問題です。

 1978年以降、2015年7月23日現在で68件の交通事故が起きています。
 
交通事故件数 全68件

そのうち65件が死亡事です。残り3件のうちの1件は保護未遂となったためその後の生死が不明です。もう1件は事故の後遺症が残り、野生に戻ることができず保護センターで終生飼育を行いました。そして最後の1件は怪我から回復し、交通事故にあった個体としては初めて野生に戻ることができました。
 
2014年1月に起きた死亡事故の写真

イメージ 5

交通事故死したイリオモテヤマネコ
1日、沖縄県・西表島(環境省西表野生生物保護センター提供)
 
その他にも、重大な危機がある。 このページを参照して欲しい。 イリオモテヤマネコに迫る危機
 
センターでは、広報活動の一環としてオリジナルグッズの販売も行っている。
 
 
イリオモテヤマネコBOOK写真
ポストカード写真
イリオモテヤマネコBOOK
価格:1000円(協力金)
            
監修:西表野生生物保護センター
学術成果に基づいたイリオモテヤマネコの生態やヤマネコの保護活動について紹介した本です。
ポストカード
価格:2枚セット100円(協力金)              
当館に掲示してあるパネルをポストカードにしました。西表島の代表的な生き物たちが描かれています。


ステッカー写真
ステッカー    価格:各100円(協力金)
           
イリオモテヤマネコの足跡のステッカーは実物大になっています。
いずれもイリオモテヤマネコ交通事故防止キャンペーンのために作成したものです。


ポストカード写真
ポストカード    価格:3枚セット200円(協力金)
西表野生生物保護センターに保護されたヤマネコの写真をポストカードにしました。


 このセンターを訪問した際は、ぜひ買ってあげてください。

今日は電波状況が悪く、画像のアップや文字変換に時間がかかり過ぎる。仕方がないので、ここでおしまいにする。イリオモテヤマネコのゆるキャラのマーヤを紹介したかったが、画像のみとする。



 IX につづく。

 

 

 

 

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