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2016年12月17日土曜日

画家 ジェームズ・アンソール

ギャラリーフェイクの新しい単行本が11年ぶりに出た。33巻目である。


読んでみて嬉しかったですね。藤田玲司も相棒のサラも全く変わっていません。巻中には、「アンソールの男」全4話、「九鼎の行方」、「忘れられた一夜」、「ガレキの街の美術商」全2話が収録されている。全編面白かった。

私はシリーズ全巻を所有している。 ギャラリーフェイクの単行本カバー絵 そしてそのカバー絵を写真にとりブログにアップした。

当時はブログを始めて間もないころで考えもしなかったが、これは著作権に違反しているかもしれない。もしそうなら、細野不二彦先生どうかお許し下さい。 1ファンの行為ゆえお目こぼしを・・・。

それで今回は、「アンソールの男」の主要人物となる美術テロリストである中東の青年が心の拠り所としている画家ジェームズ・アンソールの絵画記事である。

久しぶりの美術ネタである。折にふれ画家シリーズも続けていこうと思っている。

お恥ずかしい話だが、私はアンソールをはっきりとは知らなかったのである。そんな名のヨーロッパの画家がいたっけねという程度でした。漫画を読んでこの孤独な画家に興味を持ったのです。
作中彼はアンソールの画いたスケッチブックを後生大事に肌身離さず持っております。美術テロリストの孤独な心と世の中に対する暗い怒りを宥めるためのどんな絵画を必要としたかを知りたく思ったのである。

絵画を見てほんの少しだが、彼の気持ちが理解できたような気になった。それにしても細野不二彦先生は、この画家と孤独なテロリストを結びつけるなど卓見ですね。仮面の人物の表情がテロリストの表情に重なってくる。絵画に相当の理解と思い入れがないと出来ない事です。

それでは記事を始める。

アンソールについて、とりあえずのWikipedia検索を行った。

ジェームズ・アンソール



2002年まで用いられていた100ベルギー・フラン紙幣の肖像


ジェームズ・アンソールJames Ensor, 1860年4月13日 - 1949年11月19日)

19世紀後半から20世紀前半のベルギーの画家。近代ベルギーを代表する画家の一人である。
なお、日本ではフランス語発音に基づく「アンソール」の表記が定着しているが、画家の出身地の言語でありベルギーの多数派言語でもあるオランダ語(フラマン語)での発音は「エンソル」に近い。ベルギーでユーロ導入以前に発行されていた100フラン紙幣に肖像が使用されていた。


生涯:

1860年、北海沿岸の海岸リゾート地であるオーステンデ(オステンド)に生まれた。
1877年に首都ブリュッセルの王立美術アカデミーに入学し、1880年に帰郷するが、この3年間を除いて、長い生涯のほとんどをオーステンデで過ごした。

オーステンデの堤防


オーステンデアンソールの両親の家は、観光客相手の土産物店を営んでおり、貝殻、民芸品、カーニバルの仮面などを商っていた。カーニバルの仮面が、後に画家としてのアンソールの重要なモチーフとなったことはよく知られる。

長い生涯を独身で通したアンソールは、当時の美術の中心地であったパリとも無縁で、オーステンデの両親の家の屋根裏部屋をアトリエとして孤独な制作を続けていた。
その画風は19世紀から20世紀の多くの画家たちのなかでも他に類のない個性的なもので、特定の流派に分類することはむずかしい。

パウル・クレーエミール・ノルデなど多くの著名な画家に影響を与え、また20世紀の主要な美術運動であった表現主義やシュルレアリスムにも影響を与えていることから、20世紀美術の先駆者として高く評価されている。また、油彩だけでなく、版画作品にも優れたものが多い。

アンソールは初期には原色を多用した独特の色づかいによる室内情景や静物画などを描いていた。彼の絵に仮面のモチーフが現れるのは1883年の『人騒がせな仮面』からで、以後の彼の作品中の人物は、大部分が仮面をつけているように見え、絵を見るわれわれを嘲笑しているようである。

人騒がせな仮面の一部

印象派の影響を感じさせる、赤を多用した華麗な色彩にもかかわらず、その画面にはどこか死の臭いが漂っている。


彼は1949年に89歳で没しているが、仮面骸骨をモチーフにした主要な作品は1885年から1895年頃に集中的に描かれている。初期には画壇の異端児とされ、周囲からの無理解と嘲笑にさらされたアンソールであったが、20世紀に入ってから次第に巨匠としての名声が高まり、1929年には男爵に列せられ、1933年にはフランスのレジオン・ドヌール勲章を得ている。

年取って名声を得た時には、画家としての才能は枯れきってしまっていた。これも悲劇ですね。

しかし、皮肉なことに、彼の作品のうち評価が高いものはほとんどが1900年以前のもので、20世紀に入って以降の作品はあまり高く評価されていない。

それでは彼の作品を眺めていこう。絵画のタイトルは面倒なので省略する。


集団の中のアンソール  



骸骨の登場する絵画





自画像  骸骨仮面の画家

動物の戯画

髑髏と仮面の人



仮面を付けた人々



老年になったアンソールの自画像


初期の風景画  彼の孤独な心情がにじみ出ている(ような気がする)



静物画

これでおしまい。

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