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2018年2月3日土曜日

ナポリ旅行記 VI ポンペイ遺跡 (3)

ひきつづきポンペイ遺跡(3)である。 今回も邸宅の見学記から始める。

カスカ・ロングの家  Casa di Casca Longus  



細長い玄関の奥がアトリウムになっている。


中央部にある  ここで天水を受ける。獅子の足を模った三脚が残っている。大理石で造られていてこの上にテーブルが置かれていたようである。


アトリウムの壁画 夫妻が奴隷(聖職者?)から報告を受けているようだ。 何かの物語の一シーンみたいである。




天窓  窓枠にも細かい意匠がなされていて魚の口の部分から雨水が泉にしたたり落ちる。


その奥に中庭があり小部屋が並んでいる。修復中らしく奥に立ちることは禁止されていた。大体はメナンドロの家と似たような構造になっている。

ステファノの洗濯屋    Fullonica di Stephanus


解説板  ここには鮮やかな壁画が残されていた。



洗濯屋店舗の壁画   

ど派手な洗濯屋だったみたいですね。


ポンペイでは洗濯が重要な仕事のひとつで、洗濯屋が繁盛していたそうである。記録によるとポンペイには洗濯屋が18軒もあったそうだ。

洗濯桶  ここで足踏みによる洗濯を行ったらしい。


残されていた壁画  馬ではない四つ足の獣(犬?)に引かれた二輪車のようである。尻尾の太いこの動物は実際は何だろう? やっぱり犬かな~。



洗濯槽
  上部に蛇口が見えている。
この槽に水を貯めるのだが、洗濯の際の際に尿が使用された。アンモニアの漂白作用が利用されたのである。お蔭で尿はポンペイの人にとっては価値のあるものとなっていた。


この洗濯屋には二階があり、そこからの眺めはこのようになっている。



お隣の居酒屋の壁にはフライパン、鍋、水差しなどの調理道具が掛けられている。


再びアッボンダンツァ通りに出る。


パキウス・プロキュラスの家  Casa di Paquius Proculus



門柱の意匠

この邸宅の玄関口に犬のモザイクがある。




邸宅のアトリウムの床も全面モザイクである。


 犬のモザイク絵(部分拡大) 猛犬を飼っている家ではそれを示すためにモザイクで表わしたのかもしれぬ。同じような猛犬のモザイクはのちに紹介するが悲劇詩人の家でも見られる。そこには「猛犬に注意」という注意書きがある。泥棒よけなんだろうね。


アトリウムの床は波打っているがほぼ完全にモザイクが残っている。ギリシャ神話の場面が描かれている。


つづいては居酒屋である。

盛り場の常で飲み屋は町のあちこちにあったようで、そこかしこにカウンター席跡が見られる。

居酒屋の看板

飲み屋のカウンター席  穴の開いている所にはワインの壺が置かれ、そこからお客の杯にワインを注ぐ訳である。


釜もあるので当然暖かい料理も供したのである。幾つもの穴が開いているのでワインの種類や等級別に分けてあったのかもしれぬ。

居酒屋の壁  店の宣伝文句や当時の有力者の名前が書かれているそうな。


ファビウス・アマンディオの家  Casa di Fabius Amandio 

数あるお金持ちの邸宅の一つ。

アトリウムにある泉  泉はモザイク

天水受けのの底面は抽象的なモザイク紋様で装飾されている。


修復中の邸宅跡  


ベチュウウス・プラシダスのサーモポリウム
Casa e Thermopololium di Vetutius Placidus

居酒屋兼食堂のような家らしい。

こちらの店のカウンターは大理石が化粧板として使われていて高級感が溢れている。

カウンター左奥にはストーブを置く穴がある。


壁面の絵には中央に折りたたみ式の祭壇を設えた家主の神がいて、その左端にマーキュリー、右端にバッカスが描かれているそうです。居酒屋に酒の神バッカスは付き物だし、金払いを良くしてもらうためにも金儲けの神であるマーキュリーが必要とのこと。


カウンター席の横手には食事をとるための小部屋がならんでいる。

公共水道の水飲み場  蛇口は後から付けたものです(念のため)。



また別の居酒屋のカウンター席  こちらの台の大理石は色んな色合いのものを組み合わせていて綺麗ですね。ここに座れば居酒屋のマダムなんかが酌をしてくれたのだろうか


フルッテトの家  Casa del Frutteto 

ポンペイでは比較的小振りの邸宅で、装飾用の木が植えられた庭園と植物を描いたフレスコ画で有名だそうです。


解説板  英語表記もあるがとても読む気にはならない。


アトリウムと1本足テーブル  やはりモザイクによる装飾がなされているが保存状態はよくない。


むしろ床面のモザイクが鮮やか。

その装飾用の木が植えられている庭園

庭園のまわりに方形の小部屋が並んでいる。その部屋の壁にはフレスコ画が描かれているが暗くてはっきりとは見えなかった。飛ぶ鳥や蛇、無花果の木が描かれているそうだ。



フルッテトの家を出で再び通りに戻る。
発掘を断念した邸宅跡  再埋め込みをしている。


修復中の邸宅跡 

前回も書いたけど修復中の場所にはこのような写真カバーが掛けられているようです。


瓦礫の山  壁の建設に用いられた石材

オクタビウス・カルティオの家  Casa di Octavius Quartio




中庭


中庭外壁のフレスコ画     家全体を描いた壁画とされる。


 外壁の祭壇とフレスコ画  


負傷した戦士に駆け寄る女性


祭壇にはギリシャ彫刻のミニチュアが飾られているがこれは現代のもの。
 フレスコ画

槍を持つ少年

鹿


水路

庭の犬二匹


コンチグリアのビーナスの家 Casa della Venere in conchiglia
この邸はビーナスを描いたフレスコ画で有名である。


邸宅内アトリウム  こちらはこのように大理石で覆われている。


中庭を取り巻く回廊の奥が部屋になっている。


部屋の中はガランドウでした。

中庭に面する南壁の壁画

二人のキューピッドを伴うビーナス


庭園に集う鳥と噴水

兵士の彫像


ビーナスを背にしてご機嫌の爺さん。

コンチグリアのビーナスの家を出て通りにでるとそこにはまた水飲み場があった。



邸宅見学ばっかりで長くなったので今回はこれでおしまい。

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