カテゴリー(作成中)

2014年3月18日火曜日

中学生のための「数学」案内 II

 


3. 現代数学

現代数学(もしくは 高等数学) は、

純粋数学 と 応用数学

にわけられます。 

実は、厳密に分けられるという事ではありません。 便宜的にです。 

純粋数学 には、 つぎの分野があります。

代数学
幾何学
解析学
集合論

 応用数学 には、 つぎの分野があります。

計算科学 
確率論
統計学

それぞれの分野には、さらに扱う対象によって色々な分野わけができます。

変化
微積分学  ベクトル解析  微分方程式  力学系  カオス理論
 
構造
抽象代数学  数論  代数幾何学  群論  位相幾何学  線型代数学
グラフ理論  圏論
 
空間
解析幾何学  位相幾何学  三角法  代数幾何学  微分幾何学  線型代数学
フラクタル幾何   ベクトル解析
 
有限数学
組合せ論  素朴集合論  確率論  統計学  計算理論  離散数学  暗号理論
グラフ理論  ゲーム理論 数理工学
 
数理科学
計算科学  数値解析  逆問題  数理工学  数理物理学

といった具合です。

様々な研究分野があるということが解れば十分です。


 4. 数学は美しい

ここでは、 数学の構造の中にある美しさと、
それを用いた芸術家の作品についてみていきましょう。

4.1. 数学的フォルムを用いた杉本博司の作品 と ディ二曲面

写真家の杉本博司(すぎもと ひろし)は、数学的形態 ということで、
様々な曲面の石膏像写真を撮っています。

紹介します。

2次曲面や、ディ二曲面が現れています。

次のような、球体を含む写真もあります。


著作権の関係があるので、これだけにします。

ディ二曲面 とは、擬球を捩じってえられる負の低曲率曲面です。
何のことかわからないと思いますので、無視してください。

幾つかの画像でディ二曲面 をたのしみましょう。

 

 

機能的な美しさがありますね。

4.2. オイラーと多面体

皆さんは、オイラーはよくご存じですね。 盲目の数学者として有名です。


                レオンハルト・オイラー(Leonhard Euler, 1707年4月15日 - 1783年9月18日)

オイラー 数学者 かつ物理学者であり、天文学者でもあります。
微積分成立以後の18世紀の数学の中心となって、続く19世紀の厳密化・抽象化時代の礎を
築いたとされる。 
膨大な研究業績があり、その全集出版はいまだ完成されていないそうです。

オイラーで有名なのは、

      オイラーの多面体定理

でしょう。 すべての多面体について、

頂点の数 - 辺の数 + 面の数 = 2
が成り立つという定理です。

多面体には、こんなのがあります。 定理を確かめてください。

 


そのほかにも、



 
面白そうな多面体が沢山あります。
 
折り紙で作った多面体
 
 
穴あき多面体


穴の開いている多面体に関しては、オイラーの多面体定理 は成り立ちません。


木で組み立てられたスケルトン多面体もあります。

トランプのカードでも・・・



傑作なのは、こんな多面体のお家に住んでいる人がいることです。



4.3. エッシャーによる数学的芸術

マウリッツ・コルネリス・エッシャー
(Maurits Cornelis Escher, 1898年6月17日 - 1972年3月27日)


は版画製作でよく知られたオランダの画家(版画家)です。
建築不可能な構造物や、無限を有限のなかに閉じ込めたもの、
平面を次々と変化するパターンで埋め尽くしたもの、
など非常に独創的な作品を作り上げた。 

数学的には、繰り返し変形パターンや不可能構造の視覚化を実現した
異能の芸術家といえるでしょう。

彼の作品を見ていきましょう。

 
 
 
 
兄のB.G.エッシャーは、結晶学者であり、彼から『結晶学時報』を読んでみるように
勧められました。 これには繰り返し模様に関する論文が掲載されており、
平面を同じ図形で埋める方法(平面充填)の研究が創作の刺激になっています。

彼の有名な、リトグラフ(石版画)を挙げていきましょう。
 
 立体的には、不可能です。 トリックアートの祖先ですね。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 Escherの公式サイト もあります。 ご覧になってください。 
 
 
 4.4.マンデルブロとフラクタル図形

ブノワ・マンデルブロ
Benoît B. Mandelbrot, 1924年11月20日 - 2010年10月14日


はユダヤ人でフランス系アメリカ人の数学者であり、経済学者であり、自然科学者
フラクタルの父として著名である。

彼の有名なことばに、

           Fractal is Everywhere. 

というのがあります。 フラクタルは、どこでも ですね。

 マンデルブロ集合Mandelbrot set)とは、
複素平面上の集合、またはそれを複素平面上にプロットしたフラクタル図形
詳しくは、


\begin{cases}
z_{n+1} = z_n^2 + c \\
z_0 = 0
\end{cases}
 
で定義される複素数列 {zn}nNn → ∞ の極限で無限大に発散しないという条件を
満たす複素数 c 全体が作る集合がマンデルブロ集合である。


この黒い点の集合です。 

  マンデルブロ集合  にあるズーム動画を是非見てください。

実に様々な形態が生じることがわかります。

YouTube  にもあります。 こちらのほうが綺麗です。


拡大イメージ

Mandel zoom 00 mandelbrot set.jpg
全体図
Mandel zoom 01 head and shoulder.jpg
拡大 1
Mandel zoom 02 seehorse valley.jpg
拡大 2
Mandel zoom 03 seehorse.jpg
拡大 3
Mandel zoom 04 seehorse tail.jpg
拡大 4
Mandel zoom 05 tail part.jpg
拡大 5
Mandel zoom 06 double hook.jpg
拡大 6
Mandel zoom 07 satellite.jpg
拡大 7
Mandel zoom 08 satellite antenna.jpg
拡大 8
Mandel zoom 09 satellite head and shoulder.jpg
拡大 9
Mandel zoom 10 satellite seehorse valley.jpg
拡大 10
Mandel zoom 11 satellite double spiral.jpg
拡大 11
Mandel zoom 12 satellite spirally wheel with julia islands.jpg
拡大 12
Mandel zoom 13 satellite seehorse tail with julia island.jpg
拡大 13
Mandel zoom 14 satellite julia island.jpg
拡大 14


こんな風です。

簡単な式から、こんなに多様な図形が現れるのは神秘的ですね。

私も、20年位前に 簡単なBasicのプログラムで、フラクタル図形を描かせたことがあります。
 
その頃は、1枚の絵を描くのに1日がかりで計算機を走らせていました。 

フラクタルの静止画像を幾つかピックアップします。

まづは、Koch図形です。


このようにして、雪の結晶ができます。


変形したものを含め色々見ていきましょう。


 
 

つぎは、マンデルブロ図形です。

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
マンデルブロ集合は、 歴史的には ジュリア集合 に対する指標として提唱されたものです。

ジュリア集合とは
z_{n+1} = z_n^2 + c
において c を固定した場合に、この漸化式が無限大に発散しないような
初期値 z0 を与える集合である。

こちらのほうも、幾つか画像を与えよう。

 
 
 
 
 
 
 
 
 

同じ図形がありますが、色づけで変わってみえますね。

フラクタル図形を利用したアート作品があります。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

幻想的な絵ですね。 人間の絵筆では、ちょっと描けません。
切りがないので、ここで小休止します。


To Be Continued

今回は、沢山書いた(コピペした?)ので次回で終わります。




0 件のコメント:

コメントを投稿