「悪知恵」のすすめ
ラ・フォンテーヌの寓話に学ぶ処世訓
ラ・フォンテーヌの寓話『イソップ寓話』をもとにフランス人のラ・フォンテーヌが書いた「寓話」であるが、実際は、大人向けの厳しい認識に貫かれた処世訓であり、それを鹿島茂 が現代フランス人気質を例を引きながら解説している。その説明が実に巧妙で面白い。エスプリが効いていると言うんでしょうね。42の格言とそれにまつわる話が書かれている。著者の社会や政治についての考えも嫌味なく書かれており、読んで楽しい名著と思います。「悪知恵」でなく、賢明な智慧と言えましょう。お勧めの図書です。
ここで、ラ・フォンテーヌのWikipediaによる解説を引用する。
ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ(Jean de la Fontaine, 1621年7月8日 - 1695年4月13日)
17世紀フランスの詩人。イソップ寓話を基にした寓話詩(Fables、1668年)で知られる。(北風と太陽、金のタマゴを産むめんどりなど)
有名な格言に「すべての道はローマへ通ず」や、ことわざ「火中の栗を拾う」を残した。
寓話にある、格言を引用したい。解説なしでも思い当たる節のある格言ばかりである。
無知な友より賢明な敵のほうがまし。
小さな親切は、大きなお世話。
お互いに友人だといっても、それを信ずるのは愚か者である。この名ほど世間にありふれたものはなく、その実、これほど天下稀なものはない。
しやべるのもいいが、黙っているのはいちばんいい。
人は自己より小さい者の助けを必要とすることがしばしばある。
各自が己れの仕事をしておけ、牝牛の番はちゃんといる。
忍耐と長時間は、往々にして力や怒りよりも効果がある。
新聞のあらゆる編集者は害毒を流している。
最も強い者の理屈は最も正しい。
性格のよくない人に何か与えると、必ず後悔する
生埋めにされた皇帝よりも、乞食の暮らしのほうがよい。
詐欺師をだますのは二重の歓びである。
確実な証拠をつかむまでは絶対に相手を信用するな。
遠くにいると恐怖を感じるが、近くに迫ると、それほどでもない。
音を立てない人々は危険である。
騙し騙されは人生にとって回避できないものである。
等々。 実は、ここで紹介したいと思ったのは、むしろ内容でなくこの本の挿絵です。J.J.グランヴィルによる石版画のイラストなのだが、擬人化した動物の姿が誠に良いのである。
その挿絵を見ていきたい。あちこちから収集したので、どの格言に対応しているかは定かではない。
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