旧約聖書によると、南アラビアのシバ国の女王、シバの女王はソロモンの知恵を噂で伝え聞き、自身の抱える悩みを解決するために遠方の国家からエルサレムのソロモン王の元を訪れたとされる。その来訪には大勢の随員を伴い、大量の金や宝石、乳香などの香料、白檀などを寄贈したとされる。
エチオピア正教では、シバの女王はソロモンの知恵と王都エルサレムの繁栄を見て驚いたと伝えている。
無論二人は、仲良くなるのだが、エチオピア帝国が13世紀に編纂した歴史書によれば、ソロモンとシバの女王の息子(メネリク1世)がエチオピアを建国したとされる。
ここでは、エチオピアの歴史を勉強するわけではない。シバの女王が携えた香料乳香についての記事である。当時金に相当すると言われた、乳香がいかなるものかを知りたく思ったのである。
どのような香料か、不明にして私は全く知らなかったのだ。
Wikipedia で調べてみれば、勿論すぐにわかった。 これである。
乳香(にゅうこう)
ムクロジ目カンラン科ボスウェリア属の樹木から分泌される樹脂のこと。
ボスウェリア属の樹木は、オマーンなどの南アラビア、ソマリアなどの東アフリカ、インドに自生している。 これらの樹皮に傷をつけると樹脂が分泌され、空気に触れて固化する。
1-2週間かけて乳白色~橙色の涙滴状の塊となったものを採集する。
乳香の名は、その乳白色の色に由来する。 古くからこの樹脂の塊を焚いて香とし、または香水などに使用する香料の原料として利用されている。
勿論専用の香炉を用いて、香を焚くわけだが、火をつけると黒煙をあげて燃えるそうである。火を消すと、微妙に甘い香りのする白煙が立ち上る。この香煙は、身の穢れを落とすと言われている。
Wikiの引用をつづける。
古代エジプトでは、神に捧げるための神聖な香として用いられていた。
神に捧げるための香という点は古代のユダヤ人たちにも受け継がれており、聖書にも神に捧げる香の調合に乳香の記述が見られる。
ということである。 サウジアラビアの紅海沿いには、かって乳香の道と言われるものがあった。
地図は、 miriyunさんの記事 乳香の道とシバの女王 より引用。
オマーンは乳香の産地として古代から名を馳せた地で、アラビア湾に面したホール・リーリなどの都市から、季節風を利用し、海のシルクロードを伝った海洋交易によって各地に運ばれた。
その乳香の道はタリム、サユーン、シバーム、マーリブというハダラマウトに発展した交易都市に繋がる。 (付近には、都市サナアがある。)
ということで旅情をそそるが、miriyunさんによると、
マーリブなどいくつもの地域が外国人誘拐などで外務省の安全情報で警告されていますし、サナアもテロがあったり、事件が起きています。そういったリスクがあるので、他の国と同じような意識では歩かないほうがいいです。
ということなので、旅行する際には十二分に気をつけねばならない。
マーリブ旅行のツアー会社のホームページからの画像です。幸福のアラビア イエメンへの旅
やはり荒涼たる景色ですね。 最後に乳香を焚いている画像をあたえる。
火を付けた時。
(後注:記事を書いて後、実際に乳香を採取している画像が見つかったのでアップしておく。
樹木を乾燥させないように最大の注意を払って、樹皮に切り込みを入れ、香木の樹液を採取する。
ミルク色の樹液が滲み出す。
これを1ヶ月以上乾燥させて樹脂がしっかり固まったら採取し、水蒸気蒸留をして精油にする。
木の樹脂から採った精油なのに、木の葉や枝に含まれる成分を含むので、森林浴効果もある。)
今回は、これでおしまい。
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