このところ、猛烈に寒くって外出する気が起こらない。それで趣味のブログ書きやそれなりの資料集めをしていた。そうすると部屋の中に閉じこもりっぱなしである。正真正銘の引き籠りである。これでは運動不足が亢進し、デブがいや増してしまう。と言うことで、先日天気だったので寒い中を長時間散歩に出かけた。
特に何処へというあては無かったので、デジカメのみを携えて自宅を出る。いつものように、都賀川周辺に来る。そこから少し歩くと、新在家運河にでる。
新在家運河
昭和39年に完成した延長1.6kmの運河。近隣酒造メーカーへの水質保全を考慮し、陸から離して埋め立てたことで出来た。運河には海から入ってきた様々な魚が泳いでおり、散策路沿いには、ソメイヨシノの桜並木が約1kmにわたって続いている。
近隣には、このような酒造所を模した道が通っている。
それで、最近は地元神戸の紹介を全くしていないことに気づき、灘の酒蔵の紹介をしようと思い立ったのである。 と、またもや無意味な記事の理由づけを書く。
それで、国道2号線に沿い阪神魚崎駅へとランダムウオークで向かうのであった。 1時間位は、歩いたであろうか。
これが、魚崎駅前にあった灘の酒蔵の案内掲示板。
これを見て、時間の関係でだが
1) 菊正宗酒造記念館
2) 櫻正宗記念館 櫻宴
3) 浜福鶴吟醸工房
の3か所を取材して回ろうと決めたのだ。全て、以前何度か行ったことがある。特に菊正宗酒造記念館は、外国人のお客様を連れて見学したことがある。現役であった大昔の話である。
順次紹介していこう。
1) 菊正宗酒造記念館
毎度の Wikipedia による説明である。
菊正宗酒造記念館(きくまさむねしゅぞうきねんかん)
兵庫県神戸市東灘区にあり、菊正宗酒造の記念館で、国の重要有形民俗文化財に指定された酒造資料566点をはじめとする資料を展示している。
この記念館のキャッチコピーです。
館のテーマは、「酒造りの原点を知ること」。
酒造りの過程から用具類に至るまでの知識や現物とのふれあい、
灘の酒を醸す技・水・米・風土、
酒造りの情熱や伝統にまつわるこだわり、
また日本酒をめぐる新しい楽しみ方や文化の姿・・・など
現在・過去・未来を自在に駆けめぐる日本酒の世界を展開し、
「知るは楽しみなり」をあますことなく感じ取れる空間です。
きっと、プロのコピーライターの作ですな。上手に書くものです。
無料だが、入館には記帳が必要。 館内には、酒造りの歴史的資料が展示されている。酒の楽しみ方、マナーなど、さまざまな映像ライブラリーも揃っている。
これが、記念館入口である 長屋門。 この日は休日で観光客が結構いました。
館内見取り図は、こんな風になっている。
これが記念館玄関。私同様、お年をめされた方ばかりである。
これが、エントランスホールに掲げられている老舗 菊正宗の昔の大看板。
ここから左に入ると酒造展示場がある。 これが、酒造り絵図である。酒造りのプロセスが、絵巻物風に描かれており、そのレプリカというか、掲示板。
酒造りに使用する山田錦を始めとする、いろいろな酒造好適米の展示。
ここからが、酒造りの諸道具の展示。
これが、大砲(たいほう)。舟で運ばれた宮水を大砲(水樽)に詰め替え荷馬車で蔵まで運ぶ。
会所場。酒蔵に働く人たちの休み部屋。ここで食事したり休憩したりして酒造りに励む。
酒造りのプロセスは、大まかには次のようになっている。
第一のプロセス洗米のための洗い場。
精白した酒造米を洗ってヌカを取り去りしばらく漬けておいて
酒造りに最も適した量の水分を米に含ませる。
二番目のプロセス蒸米のための釜場。
米を蒸し、麹づくり、もとづくり、醪(もろみ)仕込など、
それぞれの造り・仕込みに合わせて米を冷やす。
三番目のプロセス麹作りのための麹室(こうじむろ)。
冷ました蒸米に麹菌の胞子を散布し、よく混ぜる。やがて麹菌が育ってくると、その過程で温度が上がり、酸素が不足するため、空気を入れる切り返しが行われる。
何度もかき混ぜ、麹蓋は積み替えられ、一、麹・二、もと・三、造りと呼ばれる、酒造りの重要な第一段階を迎える。
四番目のプロセスもと込みのためのもと場。
蒸米、麹、仕込水(宮水)を混ぜ合わせ、いろいろな操作により、最初に乳酸菌により乳酸を生成させ、ついでに有用酒酵母を純粋に培養する。
写真では、分かりにくいのでイラストで示すとこうなる。
五番目のプロセス醪仕込みのための作造蔵(つくりぐら)。
“もと”に蒸米、麹、仕込水を加えた醪を少しずつ発酵させて行く。“もと”の乳酸の濃度が急激に低くならないように、蒸米、麹、水を3回に分けて仕込むことを「三段仕込み」という。
仕込んで行くうちに、醪はどんどん発酵を進め、さまざまな形の泡を見せる。
杜氏はこの泡で発酵の進み具合を判断した。
六番目のプロセス圧搾のための槽場(ふなば)。
発酵した醪を酒袋に入れ、槽に並べて圧縮し、搾る。
白濁した新酒が、酒槽(さかぶな)から垂れカメへ流れ走る。
搾りカスは酒粕として利用される。
最後のプロセス貯蔵のための囲場(かこいば)。
搾った酒を桶に入れ、そのまま静かに置いてオリを沈殿させて上澄みを取り、新酒が誕生する。
新酒はさらに貯蔵し、数ヶ月して夏を越して熟成させることで、秋晴れの灘の生一本が出荷されます。
というプロセスである。いやあ、勉強になりました。すぐに忘れちゃうけど。
2階にあがると、映像コーナーがある。様々なちょことか、菊正宗の宣伝に使った美人絵が壁際に掲示されている。
こんな様子です。老夫婦が、後ろの席でビデオを見ておられた。
見学の後は、作り立ての吟醸酒を利き酒として試飲させてくれる。以前にも試飲したが、そのときはぐい飲みに半分位はあったのに、今回はプラのちょこに1cc位であった。不景気のせいか、量は激減している。
売店の様子は省略。お土産のお酒は買わなかった。買って帰ると怒られるので。
この記念館内の水車小屋である。
記念館の裏手にまわると、参考室というのがある。この時は、なぜか知らぬが閉鎖中であった。
その入り口に置いてあった大釜。五右衛門が釜ゆでのされた大釜である(ウソ)。
菊正宗酒造記念館見物を終えて、住吉川をわたり、つぎの 櫻正宗記念館 櫻宴 に
向かう。川のそばにある公園。
こういう方向表示板もある。神戸市も中々やるものである。
ここが
2) 櫻正宗記念館 櫻宴
櫻正宗記念館櫻宴(さくらまさむねきねんかんさくらえん)
兵庫県神戸市東灘区にあり、櫻正宗創醸400年、創業300年の歴史を物語る酒造道具、昔なつかしい看板や酒瓶やラベルなどを展示している。
随分新しくなっているのである。調べてみると、2010年秋、リニューワルオープンであった。
その入り口。
パンフをゲットしたので、アップしよう。
今や記念館というより、和風レストランおよび飲み屋になっているのだ。
館内風景。
2階が展示場になっている。酒造りの道具が展示されている。それと、櫻正宗の看板。
ここの見どころは、宣伝の美人画、酒造工場の絵図、古い酒瓶のラベル、新酒番船の浮世絵等なんだろうね。 特にすごいと思えるものはない。
それよりも、ここで新酒を飲みながら鍋料理を頂きたいものである。パンフで見るように、しっとり落ち着いた佇まいである。
3) 浜福鶴吟醸工房
ここは、櫻正宗記念館から200mほど歩いたところにある。 Wiki の記事は、余りにそっけない。
なんじゃこれは、と思うような解説。
浜福鶴吟醸工房(はまふくつるぎんじょうこうぼう)
神戸市東灘区にある資料館。
このように高い煙突が目印です。
これが、入り口。大吟醸ソフトも売ってたよ。
工房の敷地内に展示されていた 大樽。 汲み水の井戸もある。
見学は無料。予約すれば、10名以上の団体には、解説して頂けるそうである。
工房内は、このようになっている。
3つのコーナーからなっている。この日、客はちらほら。
「もろみ仕込みが見られる」 酒蔵見学コース | 「いろんなお酒が味わえる」 生酒試飲コーナー | 「限定品が買える」 直売コーナー |
2階が、吟醸工房の見学に充てられている。このとき、先客は若い方1人のみ。
見学の通路である。
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酒造りの説明ボード。
このような樽も展示してある。
ここでは、酒造りの近代的プロセスをみることができる。順不動だが、写真をアップする。各部屋の説明は、興味があれば写真を拡大して見てください。
ここでは、体感コーナーというのがあって、醪の香りを匂いだり発酵の音をきくことが
できる。醪の香りは、まさしく新酒の匂いである。
ここでも、利き酒をさせてくれた。ごくごく微量であり、新酒の味なんかわからん! お土産を買わなかったので、ケチンボされたのかもしれぬ。 爺になると僻みっぽくなるのである。
これで、この日の灘の酒蔵見学はおしまい。
阪神魚崎駅に戻るときに、見つけた魚崎八幡宮。 魚崎は、海に近いということから、古くは酒造業以外に漁業も盛んであった。 魚崎八幡宮は、魚崎の氏神として崇敬されている。
実は、こんな所に神社があるとは知らなかったのだ。
これは拝殿であるが、随分新しい。震災後再建されたそうである。
神社に植えられていた老松。 構図が面白いので写してみた。
という事で、都合4時間くらいの見学散歩であった。長時間散歩から帰宅した翌日、脹脛がつってかなり痛かったのである。 この程度で、身体に支障がおこるのだ。 年齢を感じるのは、こんな時である。 トホホ。
今回の記事はこれでおしまい。
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