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2015年9月29日火曜日

離宮 月見の宴

幸い天候も良く、中秋の名月を鑑賞することができた。場所は須磨離宮である。以前紹介したように、須磨離宮には月見台があり、平安の昔から月を愛でる場所であった。月見台には、在原行平ゆかりの月見の松跡が残っており、1000年もの昔この地で月見をしたのである。




約100年後、行平をモデルにして源氏物語須磨の月見の情景から書き始められている。 須磨離宮公園

ことに須磨の浦の月は、和歌にも数多く詠われている。

千載集より、

 いつもかく有明の月の明け方は物や悲しき須磨の関守    法眼兼覚

それで、名月を愛でるため、ワイフと須磨離宮を訪づれたのだ。このように書くと風情のある趣味人のように思われるかもしれないが、実際は違っている。以前山陽沿線の月見山駅で見つけたパンフを読んで、アトラクションが行われるので面白そうだと思って行ってみたのだ。お祭り好きの一環です。

パンフ(神戸市公園緑化協会等の主催)

第28回 離宮 月見の宴


 
 
月見酒の準備、日本酒とビール、それとおつまみを用意して、山陽月見山駅に着いたのは、5時20分を少し過ぎたころであった。


離宮月見の宴の開始時刻は5時半なので、丁度良い時間帯である。

離宮公園に通じるバラの径を通って行く。道脇のプランタンにバラが植えられているのだが、時期が違うので花の咲いている木はなく、また葉も少ないので何かわびしい。


離宮公園の正門に着いた。久しぶりの小生の写真である。ワイフが写してくれた。ここに来たという証拠写真である。ピースサインをしている馬鹿な爺さんだ。




離宮月見の宴の案内板。


月見の宴の提灯の横で。リックには、酒とつまみ一式が入っている。


入場料だが、大人400円で何と神戸市民65歳以上は無料であった。従って私は無料である。ワイフはその域に達していなかったので、コープ会員による1割引きのみであった。

離宮公園はバラ園で有名なのだが、その時期外れのバラの花。勢いのない花ばかりだが、彩も必要なのでね。
 


入り口に飾られていた花(日輪草?) だが、こちらは生彩があり美しい。(前回も写していた。)


イベントの掲示板。ここに来たのは27日で月見茶会も4時から開かれていた。こちらはパスである。

 

 前回離宮公園の記事を書いたときに、写すのを忘れた石灯籠。


会場の中門広場  模擬店が出ている。おでんや缶ビールを販売していた。


広場特設ステージの客席は満席でした。宴の最初の出しものは、コーラスユーカリプタスの皆さんが歌っておられた。年齢層はバラバラです。兵庫高校音楽部卒業生の集まりとして結成された混声合唱団である。地元のボランティアですね。コーラスは調和していました。


5時58分における中秋の名月


舞台の様子。コーラスの指揮者は女性から男性に変わった。震災の被災者を励ます歌というのが今回のコンセプトだったようです。


つづいて、一絃(いちげん)の演奏。まさしく一本しか弦のない琴の演奏です。「須磨琴」と呼ばれている。県の無形文化財である。演奏は、一絃須磨琴保存会の皆さんで6名による合同演奏であった。

「須磨琴」:一絃須磨琴保存会
 在原行平ゆかりの県無形文化財を伝承するグループ。
 在原行平が須磨の浜辺で流木に冠の糸を一本張り、岸辺の葦で弾いたのがおこりといわれる。



6時17分における中秋の名月


後段の奏者は、立って演奏していた。普段の練習と異なり大変だったろうと思います。


ここで、客席を抜け出し月見酒と相成ったのである。ベンチに座り、持って来た酒とつまみを並べワイフと酒盛りを始めたのだ。まあ、これが目的だからね。

ベンチから写したレストハウス


6時22分における中秋の名月


三番目の出しものの中国二胡とピアノの合同演奏。これは、プロの方による演奏です。流石に聞きごたえがある。紅楼夢とかの演奏があり、中国音楽という感じがする。

中国二胡・ピアノ:木村ハルヨ(二胡)・山口聖代(ピアノ)
 二胡“中国楽器”での中国曲、クラッシック、アニメソングに至るまで、その演奏活動は「木村ハルヨという新ジャンル」と評価される。
 室内楽、聖学、合唱などアンサブルピアニストとして、多岐に渡る幅広いジャンルの演奏会に多数出演。


 
艶やかな衣装を纏い、二胡を演奏する様子はとてもチャーミングでした。


二胡は、やはり名の通り2本の弦を持ち、様々な音色を奏でることができる。
姜 暁艶のホームページ より:


二胡(にこ)は中国名で「アールフー(èrhú)」といいます。そのルーツは古く、もともとはペルシャよりシルクロードを経て伝えられたと言われています。
二胡の前身は唐代(10世紀)の「奚琴」だと言われています。当時は2本の弦の間に竹片をはさんで擦り合せることで音を出していたようです。 やがて馬の尾を使った弓で演奏する技術が導入され、大きさ・形ともに現在の二胡そっくりの形状を持つようになったのは明代(14~17世紀)以降のことです。
独奏に用いられるようになったのは、意外にも20世紀初頭のことで、それまでは主に劇曲や曲芸の伴奏楽器として用いられていました。
二胡には弦が2本しかありません。外弦・内弦の間に挟まれた弓を弦に擦り付け、その摩擦によって出た音を、蛇の皮を張り合わせてある琴筒で共鳴させ、独特の表情豊かな音色を作り出します。勇ましい音から柔らかい音、動物の鳴き声まで自在に表現 でき、その音色は郷愁と喜びを奏で、人々を魅了します。

舞台の控え室(テント)にいた、離宮の月見の解説者の西海淳二さん。はっきりと写ってないが、私と同じ爺さんゆえ全く問題はない。


ピアノ奏者の山口聖代さんの演奏を写したかったのだが中々難しいので、舞台横から写した。


 
観客は彼女達の演奏に聞きほれている。


ここで、正面にまわりこんで望遠で演奏を写した。

 
7時8分における中秋の名月。 どうしても手ぶれを起こしてしまう。

 

拡大して、美人奏者の木村ハルヨさんを写した積りがやっぱりピンボケになってしまった。


かくなる上は、と無粋を承知で画像検索してみた。この方です。


片手落ちなので、つぎに山口聖代さんのお写真。


7時31分における中秋の名月。   月に叢雲になってきた。


ワイフとの酒盛りを終えて、最後の出しものである和太鼓を聞いた。これが圧巻であった。

和太鼓:須磨翔風高校和太鼓部

 須磨翔風高校は2009年に神戸西高校須磨高校が再編・統合されて開校。
 前身の神戸西高校和太鼓部和太鼓松村組」の代表者である松村氏が教員時代に創設。



女子を中心とした30名ほどのグループである。一糸乱れぬばち捌きであった。本格的な演技です。その写真を連続してアップする。



舞台前にも太鼓を担いだ一団が出演する。彼女達(含む彼)の真剣な表情を見よ。


演技の動きが速くて、通常のシャッターではこの様に流れて写る。





新たな出し物では、小太鼓が登場。 これも威勢がよくってとても良い。

 


 
 大太鼓、中太鼓、小太鼓入り乱れてのアクション付きの演奏。



そこに鐘の奏者二人が現れ、鐘をつきながら鐘太鼓の音色に合わせて踊るのである。
 



聴衆も大喜びで、演奏に酔っていた。勿論私達もです。

和太鼓部の皆さんの最後の挨拶。



迫力のある実に素晴らしい演奏でした。大太鼓や中太鼓の音が身体に響きわたる。
須磨翔風高校和太鼓部の皆さんの演奏を心から称えたいと思う。いやあ、素晴らしい~!!

アナウンサーの方の閉会の挨拶。お名前は不明。


私達は初めての参加でしたが、月見酒を楽しんだし、和太鼓演奏には感動しました。お近くの方は固より、お近くでない方も来年には是非いらしてください。65歳以上の方には、特にお勧めです。

8時12分における中秋の名月。  すっかり雲がかかってしまった。


かくして宴はおわり、月見山駅まで戻ってきたのであった。夜はとっぷりと更けている。


 これでおしまい。

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