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2015年11月3日火曜日

神戸ビエンナーレ2015 V

神戸ビエンナーレ2015の5回目は、元町高架下会場で開催されていた亀井啓二個展元町高架下界隈油彩展の紹介です。

亀井啓二個展は、Pocket美術館モトコ―の2階で開催されていた。


2階にあがると、作者の亀井啓二さんがおられ、少しお話を聞かせて頂くことができた。亀井さんは、動物が好きでこの展示会では王子動物園動物をテーマに選んだそうである。動物のなかでは、特にシマウマとカバに魅力を感じるらしく、その生態を描いた大型のアクリル水彩画が展示されている。動物の生態や動きなどを見事に捕えていると思います。

亀井さんの許可を得て、写真を撮らせて頂いたので、何枚かをアップしたい。







かなり大きな画面で、2枚のキャンバスを張り合わせてある。1作品の制作には、3ヶ月位かかるそうで、テーマの異なる絵を同時進行で描いていくそうだ。同じ絵ばかり描いていると、煮詰まってくるし行き詰るので、別の絵を描いて気分を変えると、またアイデアが浮かぶからである。

勿論風景画も描いておられる。2009年製作の新余部鉄橋の建設時の風景画。

 
現在の余部鉄橋

現在の新余部鉄橋の写真については、新余部鉄橋訪問記 、昔の余部鉄橋の写真については 余部鉄橋 を見て頂けると嬉しい。記事の宣伝をしてしまった。

亀井さんは、工事現場に興味があるらしく、展示されている絵のなかには、改装中の姫路城の絵もあった。再び宣伝。姫路城グランドオープン 見学記 I 見学記 II 見学記 III

つぎは、元町高架下界隈油彩展である。


山口洋司さんの作品展です。そのキャッチコピーが洒落ているので、引用する。

南から見ればヨーロッパの裏町風
北はどこにでもある下町調
俯瞰すれば蛇がくねるよな
鉄路と架線のシンフォニー
その下を這うは高架下商店街通り
いっぱい昭和の面影を残した雑多な空間ーーー
その街で、その界隈の油彩展です。

全て見慣れた景色ばかりですが、見ていても昭和レトロの雰囲気が良く出ている。全て最近の高架下の様子を描いたものです。昔の情景かと思ったが、そうではない。





山口さんにも少しお話を伺った。製作は、高架下界隈の写真を何枚も撮り、良い構図を選んで、水彩画で下書きをして後、油絵で仕上げるそうである。展示されている作品数は17,8枚であったと思うが、一年半以上前から準備をして作品を描きつづけておられる。1作品完成までに、3ヶ月ほどかかるそうだが、やはり平行して作品製作を行うそうである。また、2年前の神戸ビエンナーレでも油彩の展示会を開催したとのことであった。なお、写真の許可は頂きました。

(後注:この記事を書いてから、つぎの記事を見つけた。毎日新聞神戸支局長・土居和弘さんの記事です。無断ではあるが、引用させて頂いた。TV局のディレクターだったのですね。その節は、失礼いたしました。

元町高架通商店街を描いた油彩の個展を開いた山口洋司さん=神戸市中央区の元町高架通商店街2番街の「アート空間#161」で、土居和弘撮影
元町高架通商店街を描いた油彩の個展を開いた山口洋司さん=神戸市中央区の元町高架通商店街2番街の「アート空間#161」で、土居和弘撮影
 神戸市中央区のJR元町駅から西に延びた高架下に、たくさんの店が軒を連ねている元町高架通商店街(モトコー)。この商店街を描いた油彩展が今、この地で開かれています。「いっぱい昭和の面影を残した雑多な空間−− その街で、その界隈(かいわい)の油彩展です」。そう記された案内はがきに引かれて、会場に行きました。
 場所は、2番街の「アート空間#161」です。商店街を散策中に、気軽に立ち寄ることができます。訪ねた際も、作品に見入っている人がいました。白く塗られた壁に展示されているのは、21点です。
 細い通路の両側に並ぶ店舗、駅周辺の街並み、高架と併走する道路−−。12号を中心に、20号から小品までの絵に描かれた光景には、人の姿はあまり登場していません。しかし、生活感がにじみ出ています。人の息遣いが聞こえてきそうです。

 「美しい風景ではなく、街角の、ふと目にした光景に興味を持ちます」。絵の作者、神戸市西区に住む山口洋司さん(78)は話します。発足まもない大阪の民間テレビ局に入社し、定年まで勤めました。絵筆を執るようになったのは退職後から。個展は2度目です。

 父は画家でした。しかし、生前、山口さんは絵に関心を持たなかったといいます。むしろ、1963年、60歳で亡くなって後に、魅せられるようになりました。山口さんの元には、たくさんの父の作品が残りました。
 太平洋戦争中の44年、山口さん一家は神戸から京都府の上和知村(現・京丹波町)に疎開しました。終戦後も53年まで、その地にとどまりました。父は絵を描く一方、中学校で絵を教えました。その当時の教え子たちが、父の死後、遺作展を開きます。「絵には、人と人を結びつける力がある」と、山口さんは感じました。自身も、遺作をまとめた画集を2度、出版しました。

 山口さんはテレビ局で、コメディーや演芸の番組を長く担当しました。舞台に上がる前の出演者の真剣な表情を放映するなど、新しい演出方法を常に考えてきました。しかし、年齢を重ねるうちに、制作現場からは離れました。「表現者でありたいという思いがくすぶっていて、絵に表現の場を求めたのかもしれません」(山口さん)。
 「作品には、画題に選んだ場所を包む空気も表現したい」。山口さんはそう心がけています。どの作品にも、終戦まもなくからの歴史が生む、この商店街の空気が漂っているように思いました。
   ×   ×   ×
 山口さんの個展「元町高架下界隈」は11月1日まで。正午〜午後6時(1日は午後5時まで)。入場無料。【神戸支局長・土居和弘】

今回の神戸ビエンナーレは、これでおしまい。

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