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2016年2月5日金曜日

長田神社 追儺式 I

2月3日は節分の日である。母の見舞い兼様子伺いを終えてから、長田神社に向かった。節分の日に行われる、追儺式を取材するためである。単なる趣味にすぎないが、このブログの神戸案内シリーズの一環である。それと同時に、我が家の全ての厄払いを願ったためでもある。 長田神社

この行事は、節分の豆まきの起源といわれており、兵庫県の無形民俗文化財に指定されている。

三宮までバスで出て、神戸市営地下鉄を利用して長田駅下車。
参道に向かう道すがらの掲示板に追儺式のポスターがあった。


神社前の萬福グージーモニュメント萬福笑来の額がかかっており、木彫りの萬福グージーファミリーが祀られている。宮司をもじっているんだろうね。その姿は、アオバズク(フクロウの1種)をモチーフとした、まちのシンボルキャラである。

 

5人家族である。

このような家族構成になっている。

 

左から、グージー、シン、キミコ、ミーコ、コグージー である。着ぐるみも存在するが、私は未見である。




のっけから脱線してしまった。すまぬ。

長田神社に着いた。東鳥居にこのような 長田神社 古式追儺式神事 の垂れ幕が掛かっていた。屋台の店はまだ開いていない。


神門をくぐり抜けて、拝殿前にでる。


境内には、追儺式神事の看板が置かれていて、神事の説明がなされている。


開始までに30分以上の時間があったので、このところの厄から逃れるようにお祈りをさせて頂いた。お賽銭も我が家と母の家の二軒分お納めしたのであった。

ここで、追儺式の概略を説明する。以下長田神社のホームページから適宜引用した。

追儺(ついな)とは、通称、「おにやらい」「おにおい」と云い、我国では文武天皇時代より毎年大晦日に、宮中、社寺、民間で行なわれてきた大祓の年中行事で、現在各家庭で行なわれている豆まき行事のことである。
一般に、鬼は不吉なもの、種々の不幸・災をもたらすものと嫌われ、この鬼を追い払い目出度き新年の家内安全無病息災を願うのがこの行事の目的である。

行事は、七匹の鬼が神々のお使いと して、松明の炎で種々の災を焼きつくし、太刀の刃で寄り来る凶事を切り捨て、天地を祓­い国土を清め、一年間の人々の無病息災、家内安全を祈り願って、一陽来復の立春が再び­巡り来ることを喜び祝う願う予祝の行事である。

参拝者は、松明の灰をかぶることにより祓を受け、松明の燃え残りを家の入口に吊して除­災招福を願い、又餅花を食べて無病息災、家内安全を願って、この年の平穏を祈るのが古­来よりの風習である。
 
 拝殿前の舞台


しめ縄の下には榊葉とともに連続して括られている小さな餅が見える。


拝殿の柱に架かっている、十字に結わえられた二つの大きな餅がある。太陽と月、天と地を象徴する泰平の餅である。その左右には竹竿に掛けられた、日本全国を表す榊葉で飾った六十四州の餅がぶら下がっている。




観客席からは見えぬが、社殿中央には1年12ヶ月を表す12個の影の餅が置かれている。
拝殿には宇宙と星、人々を表す餅花が飾り付けられている。

影の餅餅花
 
社殿内の餅花
 
 
 追儺式に出演する鬼役および太刀役奉仕者名の看板。



 午後1時に節分祭が始まり、宮司達が拝殿内に参進する。


宮司の挨拶と行事説明。神官による追儺式の儀式を行う。


肝入りおよび太刀役の参進。
 

ほら貝の吹き手もつづいて参進する。


祭典が始まる。拝殿前に勢ぞろいする鬼役の面々。頭上に鬼の褌となる布を付けている。

 
 祭典に参列の後、鬼面を始め諸道具並び忌火を受け取る。


鬼の面々は、このように白装束で顔を隠している。


宮司がまづ退場して、ひきつづき全ての演者が退場する。

肝入りが午後2時に追儺式の開始を告げる。


太鼓とほら貝の音とともに追儺式は始まる。


スケジュールはこのようになっている。1時の開始から6時55分の終了まで、約6時間立ちづめだった。最後まで見ようと思い、結局400枚以上の写真を撮った。結構ハードな取材でした。家に帰ってから足がつってしまい難儀しました。やっぱり年ですね。

追儺式のスケジュール

14:00 練り込みの後、節分祭開始
15:00 一番太郎鬼が登場(3回)
15:45 赤鬼、姥鬼、呆助鬼、青鬼、一番太郎鬼が登場(2回)
16:45 餅割鬼、尻くじり鬼が登場
16:55 赤鬼、姥鬼、呆助鬼、青鬼、一番太郎鬼の太刀渡し
17:10 赤鬼、姥鬼、呆助鬼、青鬼、一番太郎鬼の太刀渡しの舞
17:20 赤鬼、姥鬼、呆助鬼、青鬼、一番太郎鬼の太刀納め
17:30 餅割鬼、尻くじり鬼が登場
17:40 赤鬼、姥鬼、呆助鬼、青鬼、一番太郎鬼の御礼参り
18:15 餅割鬼、尻くじり鬼が登場
18:50 餅割鬼が影の餅を斧で割る

舞台への登場順に鬼たちを紹介し、行事の全てを見ていくことにしよう。

1) 一番太郎鬼の登場

一番太郎鬼

右手に麦藁で作った松明(たいまつ)を持ち、足を踏み鳴らし踊りながら舞台に登場する。三番目に強い鬼だそうである。頭に巻いていた白装束を腰に巻いている。

 
 
松明は、このように年寄りが火をつけ、手づから交換して新し松明を引き渡す。それの繰り返し。仮面により、鬼役は殆ど見えていない状態と思える。


その鬼の舞い。


 
 

そして舞台左手から退場して、



本殿を半周して再び舞台右手から太鼓とほら貝の音と共に登場する。


鬼の舞を見守る太刀役の少年達。


これを三度繰り返す。

鬼は寒い中を素足で踊りを演じる。ドンと足を踏み鳴らし、しゃがんでは立ち上がり、松明をふり廻し頭上高くあげる。田楽のような踊りである。

 
 

2) 赤鬼、姥鬼、呆助鬼、青鬼、一番太郎鬼の登場

つづいて登場するのは、赤鬼

 
 
 
 
姥鬼
 
 
 
 
 
呆助鬼
 
 
 
 
 
 
 青鬼
 
 
 
 
 
一番太郎鬼再び
 
 
 

 
 
この鬼の舞いが2回繰り返される。
 
 
 
 
 
 
3)  餅割鬼、尻くじり鬼の登場

大役鬼と呼ばれる餅割鬼が松明とを持って登場し、次いで腰に槌をつけた尻くじり鬼が松明と大矛を持って鬼踊りを披露する。

餅割鬼が最強の鬼で、尻くじり鬼がNo.2の鬼ということである。

 
餅割鬼 

 

 
 
 
 
尻くじり鬼





両鬼の舞い。尻くじり鬼餅割鬼の尻をつこうとするが、そうはさせじとする攻防戦である。

 
 

 
舞台に散乱する松明の燃えカスを、年寄りが松明で掃きはらう。
 
 
 
4) 赤鬼、姥鬼、呆助鬼、青鬼、一番太郎鬼太刀渡し

まず太刀役の子供達が太鼓とほら貝の音とともに、肝入りに連れられて登場。



 
まづ赤鬼が太刀役から太刀を受け取り、それを左肩に担いで鬼の舞を披露する。


 
 
つづいて姥鬼。
 
 
 
呆助鬼、青鬼
 

 


 
最後に一番太郎鬼
 
 
全員による太刀の舞い
 
 
 
舞を終えると太刀役に太刀を返納する。太刀持ちはゆるりと回転しながら太刀を鞘に納める。
 

またもや記事が長くなりすぎたので、このつづきは次回の後篇に回す。

今回はこれでおしまい。


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