非斉次方程式
(4.2) y' = Ay + f(x)
の一般解を 定数変化法により斉次方程式 (4.3) の解を用いて表現することを考える。
今までに述べたことから、(4.3) の一般解は、 y = W(x)( C1, C2)t の形に書ける。
ここで、
このとき、あきらかに W(x) は、 行列微分方程式
(4.18) W'(x) = AW(x)
をみたしている。 (4.3) の一般解を定数変化法により
y = W(x)(C1(x), C2(x))t = W(x)C(x)
の形で求めよう。 斉次形の一般解の表示における定数ベクトル C を 関数 C(x) に
変化させる訳である。 y' = W'(x)C(x) + W(x)C'(x) なので、 (4.18) により
整理すると、
y' = AW(x)C(x) + W(x)C'(x) = Ay + W(x)C'(x) = Ay + f(x)
となる。 これを (4.2) に代入すると 、W(x)C'(x) = f(x) がえられる。
W(x) は正則行列なのでこれから C'(x) = W(x)-1 f(x) すなわち
(4.19) C(x) = ∫W(x)-1 f(x) dx + C1
をえる。 ここで、C1 は、定数ベクトル。 したがって (4.2) の一般解は
(4.20) y = W(x) [ ∫W(x)-1 f(x) dx + C1 ]
で与えられる。
短いが X回目 はこれでおしまい。前年度原稿と同じだが、ひきつづき次週の XI回目 をアップする。
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