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2017年6月20日火曜日

微分方程式講義(2017年版)X  

講義では、4章1節の始めの部分しか説明できなかったが、この講義原稿では非斉次方程式からのつづきである。


非斉次方程式

(4.2)               y' =  Ay +  f(x)

の一般解を 定数変化法により斉次方程式 (4.3) の解を用いて表現することを考える。 

今までに述べたことから、(4.3) の一般解は、 y = W(x)( C1C2)t  の形に書ける。  

ここで、



このとき、あきらかに W(x) は、 行列微分方程式

(4.18)                  W'(x) = AW(x)

をみたしている。 (4.3) の一般解を定数変化法により 

                           y = W(x)(C1(x), C2(x))t  = W(x)C(x)

 の形で求めよう。  斉次形の一般解の表示における定数ベクトル C を 関数 C(x)

変化させる訳である。  y' = W'(x)C(x) + W(x)C'(x)   なので、 (4.18)  により 

整理すると、

  y' = AW(x)C(x) + W(x)C'(x)   = Ay + W(x)C'(x) = Ay + f(x)

となる。 これを (4.2) に代入すると 、W(x)C'(x) = f(x) がえられる。 

W(x)  は正則行列なのでこれから    C'(x) = W(x)-1 f(x)   すなわち

(4.19)      C(x) = W(x)-1 f(x) dx + C  

をえる。 ここで、C1  は、定数ベクトル。 したがって (4.2) の一般解は
(4.20)      y = W(x) [ W(x)-1 f(x) dx + C1  ]

で与えられる。








短いが X回目 はこれでおしまい。前年度原稿と同じだが、ひきつづき次週の XI回目 をアップする。 






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