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2018年4月10日火曜日

微分方程式講義(2018年版) II

今回は可能な限り手書きの原稿部分をTEXに打ち直した。それでこの回以降は手書きの部分とTEX原稿に換えた部分が併存することになった。昨年度よりは少し見やすくなったように思う。


2章  1階常微分方程式と求積法

この章では、積分を実行することにより、解を求めることのできる微分方程式を扱う。




 2.1 変数分離形




一階方程式正規形 は、

(2.1)   y' = f(x,y)


で与えられる。  f(x,y) = f(x)g(y)  となっている場合

(2.2)   y' = f(x)g(y)


のタイプの一階方程式を 変数分離形  という。

(2.2) は、形式的につぎのようにして解ける。

dy/dx = f(x)g(y)

⇒ [1/g(y)]dy/dx = f(x)

⇒ [1/g(y)] (dy/dx) dx =  ∫ f(x) dx     (x で積分) 


⇒ [1/g(y)] dy =  ∫ f(x) dx     (積分の変数変換公式) 



この様に、

(1) 代数方程式を解く
(2) 変数変換を行う
(3) 微分や積分を行う


などの操作を有限回行い解を求めることを、 求積法 という。 

例を与えよう。 以下例は、各節ごとに改めて番号づける。
積分定数 C は微分方程式の初期条件に対応する定数と考えられる。





 2.2 変数分離形に直せる微分方程式


(2.3)   y' = f(y/x)

の形の微分方程式を考える。 このタイプの方程式は、同次形(もしくは斉次形)とよばれる。

この方程式は、簡単な変数変換で 変数分離形 に直せる。 

y/x = u   つまり y=ux  とおくと、  y' = u + xu'   なので、  

xu' = f(u) - u  となり、
2つほど、例をあげよう。









同次形に帰着される変形 Version を考えよう。



(2.4)    y' = f((ax+by+α)/(cx+dy+β)),     ad - bc ≠ 0


ad - bc ≠ 0   なので、  連立方程式

ax+by+α = 0,   cx+dy+β = 0

は、 唯一つの解  x = x₀        y = y₀ をもつ。 

今  X = x - x₀,   Y = y - y₀  と変数変換すると、  dY/dX = dy/dx   なので、 

(2.4) 式は

(2.5)   dY/dX = f((aX+bY)/(cX+dY))

の形になる。  (2.5) は 同次形 なので、 Y = uX  とおくことにより

変数分離形 に帰着できる。





(2.4) において、 ad - bc = 0 の場合も解くことができる。  実例を示そう。

さて、同次形の一般化を考える。

(2.6)   dy/dx = xn-1 f(y/xn )
  
  ここで、 n  は、自然数(実は、正の数でよい) とする。 

 このとき、 y = xn と変数変換すると、  y' = nxn-1 u + xn u'   なので、  

方程式は               nxn-1 u + xn u'  = xn-1 f(u) となり、 xn-1 でわると   

       xu'  =  f(u) - n つまり  

        du/dx  =  (1/x) [f(u) - nu]

 となり、 変数分離形 に帰着される。  

例をあげよう。


2.3 1階線形常微分方程式



p(x) 、 q(x) を 区間 I 上の 連続関数 とする。

一階常微分方程式が、


(2.7)    y' + p(x)y = q(x)


の形にかけるとき、線形 という。 y と y' について一次式になっていることを注意。
 

(i)   q(x) = 0  のとき、 (2.7)  は、 同次形 という。
 
(ii)   q(x) ≠  0  のとき、 (2.7)  は、 非同次形 という。


(i)  同次形 の解法

1節で示したように、解は

   
    y = C exp(- p(x)dx)    


とかける。 C は積分定数である。


(ii)  非同次形 の解法  (定数変化法) 

q(x) ≠  0  のとき、 (2.7)  の解を   u(x) =  exp(- p(x)dx)    として

y = C(x)u(x)    の形で求めよう。  

同次形の解の表示における定数 C 関数 C(x) 変化させる訳である。

y'=C'u+ Cu'   なので、 (2.7)  に代入して 整理すると、

  C'u + C(u'+p(x)u) = q(x)

であり、 u'+p(x)u=0   なので

   
  C'(x) = q(x)/u(x)   となる。 これを、積分して

     C(x) =  q(x)/u(x) dx  + C  

であるから、 (2.7) の解は

 

(2.8)    y = exp(- p(x)dx[ ∫ q(x) exp( p(x)dx) dx + C ]


で与えられる。  

この方程式は、重要なので4つほど例をあげよう。








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