以前の記事で、
京都大学白浜水族館の説明をすると書いておきながら、例によって書く意欲欠乏のため、長い間うっちゃっていたのだ。 その上、一昨日
左人さし指の爪を半分包丁で切ってしまったため、
痛みと
我がどんくささに発狂しそうになり、ついで精神的にも落ち込んでしまい、趣味のブログを書く元気すら失ってしまった。
紀伊半島山越え一周旅行 2014.7.5-6 I
それで、1日中ベッドに横になって静養(娯楽本を読んでただけ)をしていた。
が、痛みが治まってくると、読書にも飽きてきた。数学や物理の本で未読のものは沢山あるが、頭を使う本は全く読む気がしない。 情けないが、知的に堕落してしまったのである。
そこで、パソコンを立ち上げてメールチェックなどをやり始めた。沢山たまっている。不自由で仕方ないが、8本指でパソコンのキーボードを叩き始めた。以前から
右人さし指は不自由なので、さらに不自由になった訳だ。 50通以上はあったが、返事を要するのは数通なのですぐに終わってしまった。現役時代とは、えらく変わってしまった。事務書類提出などで、半日以上かかることがあったのである。 そのような雑務(実は本務)から解放されるのが退職であるが、今となっては、それすら懐かしいのである。
と、近況報告をしてから、
白浜水族館の説明を始めるのである。 写した写真を没にしたくないといういじましい心情と、行ったことのある
全国の水族館の訪問記を書くという野望実現のためである。
この水族館である。 設備の充実した、立派な水族館です。
珍しく Wikipedia による案内記事は見あたらなかったが、充実したホームページがある。
このホームページを見れば紹介なんか不必要であるが、実の目的は個人の趣味に走った
見学感想記を書くことなのだ、ということで許してほしい。
京都大学白浜水族館
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| 京都大学白浜水族館は白浜周辺に すんでいる無脊椎動物と魚の展示 にこだわった水族館です
カニ・ヒトデやロウニンアジなど 約500種の生物を常時展示して います。南紀の海にすむ、たくさんの生き物の形や動きを、
間近でじっくり観察することができます |
というのが、
ウリです。 パンフは、以前の記事にアップした。 訪問日は無料だったが、本来は有料である。 営業時間・料金等は、つぎのようになっている。
営業時間・料金 | |
| 営業時間 | 午前 9:00~午後 5:00 (入館は午後 4:30まで) |
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| 休館日 | 年中無休 |
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| 入館料 | 個人 | 団体(20人以上) |
| | 大人 (高校生以上) | 600円 | 550円 |
| | 小人 (小・中学生) | 200円 | 150円 |
館内は、このように4つの施設に別れている。
第一水槽室から第四水槽室まであり、このような塩梅である。
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| | 水槽室 | 水槽数 | 総水量 | 展示の概要 |
| | 第1水槽室 | 1 | 240t | 中・大型回遊魚とサメ類 |
| | 第2水槽室 | 33 | 110t | 無脊椎動物(分類別展示)と小型群れ魚・ 読書コーナー・走査電子顕微鏡 |
| | 第3水槽室 | 6 | 5t | 無脊椎動物・魚類・標本 (実験展示,特集展示) |
| | 第4水槽室 | 18 | 112t | 無脊椎動物・魚類・海藻 (すみ場所別展示,分類別展示) |
もっとも見どころのあるのは、第一水槽室の大型方形水槽である。 このような、カンパチやロウニンアジなどの大型魚が泳いでいる。ここには、写っていないがサメやエイもいた。
つづいて、第二水槽室の円形水槽である。 このような水槽である。 アジ、メバル、イサキ等、色んな種類の小魚が泳いでおる。
この円形水槽のまわりに、無脊椎動物(エビ、カニ、イソギンチャク等ですな)の水槽が並べられている。 面白いものと、食べれられそうなのを写してみた。 まづは、イソギンチャクとヤドカリだ。
学校で習った共生生活の例でしたね。 イソギンチャクが3匹(個体?)も、貝殻に乗っけていて、
びっくりしたのだ。しかし、ずり落ちそうになっている。
これは、タカアシガニ。食べても美味くないそうです。 つぎはニシキエビ、大型のイセエビで美味いと思われるが、食ったことはない。 見栄えが良いので、よく剥製にされていますね。
アワビ、こいつは美味だが、最近は食ったことがない。余りに高価で、
年金生活者には手の出ない食材になってしまった。その下に写っているサザエは、辛うじて食べられるが、これは幸せと言わねばならぬ。
ホタテ貝と思ったが、ヒオウギ貝らしい。 ホタテのほうは、普通に食べられる。養殖のお蔭である。有難いことである。
あと、正確な名前のわからぬ カニ、ヒトデ、ガンガセ(ウニの仲間)、ナマコ、イソギンチャク
などを写したのだ。
これが新入りのアカイシガニモドキと思えるが、定かではない。
第二水槽室には、磯の生物を展示する水槽がある。 これである。 説明によると、
マツバガイ・ヨメガガサ・ベッコウガサ・ウノアシ・キクノハナガイ・メクラガイ・イシダタミガイ・ヘソアキクボガイ・アマオブネ・イボニシ・ホンヤドカリ・イソヨコバサミ・ヤツデヒトデ・ムラサキウニ・ゴンズイ・ボラ・コボラ・ワニグチボラ・ヘビギンポ・カエルウオ・タネギンポ・ホシギンポ・ロウソクギンポ・イソギンポ・クモハゼ・アゴハゼ・ドロメ・キュウセン・アカササノハベラ・クサフグ
がいるそうだが、何が何だかわからぬ。
第三水槽室の水槽は少ない。 実験展示とか特集展示を行っている。
このパネルには、全動物門の系統樹が描かれている。 進化の枝分かれが解る訳だ。
この時は特集展示として、
時岡隆 生誕100年記念展というのをやっていた。
勿論、無知の塊である私は存じ上げていなかったので、Wikipedia で調べてみた。
ちゃんと、掲載されていました。 業績のある偉い動物学者です。
時岡隆
時岡 隆(ときおか たかし、1913年 - 2001年9月30日)
日本の動物学者。京都大学名誉教授。山口県生まれ。
1936年京都帝国大学理学部動物学科を卒業。その後、同大学の理学部助手、農学部助教授、農学部教授、理学部付属瀬戸臨海実験所助教授、同実験所教授に就任。1975年から1977年には同実験所の所長を務める。1977年、停年で退官、京都大学名誉教授。
1946年京都大学理学博士 「日本動物分類 」。
動物系統分類学の権威であり、毛顎動物、有櫛動物、尾索動物といった海洋生物に関する科学論文を200以上残している。時岡に敬意を表して、少なくとも1ダース以上の種に彼の名がつけられている。
また自然保護活動にも力を注ぎ、海域では初となる白浜町沿岸の環境保全特別区域指定に貢献し、1968年には和歌山県文化賞を授与されている。
論文数220本以上だそうです。これは、物凄い数です。朝から晩まで研究して、論文を書き続けないと無理な数です。私は、弟子たちとの共同で約半数の論文を書いたが、正直死ぬほど(大袈裟)しんどかった。 と、さりげなく自慢する私が嫌らしい。
63歳で
停年退官されてからも、ずっと研究は続けられていたようで、誰か(私)とは、雲泥の差だ。
こんな写真が展示されていた。 博士は、新種のホヤやクラゲを沢山発見したらしい。
面白いネーミングをしている。 生態観察から来ているのだろうと思える。
アンチンボヤと
キヨヒメクラゲである。
脱線するが、気になったので、隣にいる太っちょのおばさん学者 Patricia Kott 博士を調べてみました。 確かに著名学者でした。
オーストラリアの海洋科学のリーダーであったと書いてある。
1992 AMSA Silver Jubilee Award という賞を受賞していました。
オーストラリア海洋科学協会 Australian Marine Sciences Association Inc. の
受賞ページに説明があります。 結婚(再婚)されていて、Dr Patricia
Mather となっていました。
彼女の美しいほうの写真はこれです。
残念にも、2012年に87歳で亡くなられている。
また、時岡博士は切手コレクターとしても有名だそうです。切手の分類整理が好きで、このことが
分類学にのめり込む遠因になったのだとの事。パネルには、そんな事が書かれている。
1949年には、世界の郵便切手という本を出版している。それで、Google books で調べると、あったのである。 Amazon で調べなおすと、中古文庫本で送料共で2000円とあります。 安くはない。
博士の書いた専門書
動物系統分類学 (2) 時岡 隆 のほうは、ぐっと高く 21600円です。勿論買う気はありません。調べて見ただけです。
世界の郵便切手
書籍名 | 世界の郵便切手 |
著者 | 時岡隆 |
出版社 | 羽田書房, 1949 |
ページ数 | 171 ページ |
またもや脱線したが、第四水槽室である。 ここには、中、大型の魚類や海藻が展示されている。
正確な名前は、これまたわからんが、
ツバメウオ、フグ、コバンザメ、ウツボ、マツカサウオ、
キンメダイ、タカノハダイ、フエダイ、ハコフグ、などを写したのだ。 恐らく実行はしないだろうが、
私製魚類写真集をブログで作ろうか、などと馬鹿なことを考えつく。
魚は動きが早いので、なかなかうまく写せない。この程度でも、良好な方だ。
追記:水族館のいきものを撮影した、動画コーナー があります。
ミノウミウシの防御 |
ミノウミウシの仲間は、背中のトゲトゲにイソギンチャクの毒針をためておくことができます。この毒を使って、敵を追い払います。刺激をあたえると、トゲトゲを立ててきます。 |
カニの食事 |
ノコギリガニが、餌のオキアミを食べている様子です。ハサミ脚と、口周りの脚を使って、器用に食べています。 |
などです。
動画コーナー を見てください。 面白いですよ。
これで、
白浜水族館の見学は終了した。 そういえばこの日は、日程がタイトですぐに
南方熊楠記念館に向かったのであった。
熊楠についても、記事の資料は集めたがそれっきりである。記事を書く責任(誰に対してのだ?)を果たしていない。 精神状態が良好になれば、書くことにする。
この記事を書くに3時間もかかってしまった。
あ~あ で、今回は、これでおしましい。