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2014年8月31日日曜日

魚の発酵食品



朝のTVで、広島安佐北、南地区の土砂災害のニュースを見るたびに、痛ましい思いになる。


新聞報道によると、現在死者72人、行方不明者2人だそうだ。 土砂の流れ込みによる、窒息死が過半数を超えているらしい。 どんなに苦しかったかと思うと、涙が出そうになる。 娘さん夫婦を亡くされた方のインタビューがあった。私とは全く関係のない方であるが、その言葉を聞くのもつらい。 
亡くなった方々のご冥福を祈りたい。

ボランティアで沢山の方が、現地に入りお手伝いをしていると毎日新聞に書いてあった。私は何もできぬが、出来るだけ迅速に復旧してほしいものだと思う。 広島市からの避難勧告が遅すぎたのが、被害拡大の因になったと書いてあるが、豪雨という気象条件が主たる原因なので、致し方のない災害だったのだろう。 誰しもこのような災害を想定して家などは建てぬ。 

助かった方と亡くなられた方には、災害から逃げようとする意志においても本質的な差異はない。
たまたまそこにいたから死亡したのであり、たまたまそこにいなかったから助かったのである。
大袈裟にいうと、世界は不条理に満ち満ちており、人はその中で運不運に見舞われながら生きていくしかないのだ。 だからと言って、こんな認識は何の慰めにもならぬ。残されたものは悲嘆に陥るしかない。 時間が経ち、少しづつ悲しみを忘れてゆき、苦しみを癒していく他はない。 

どうも老人になると、感情過多気味になる。 ともすれば、理性よりも感情が勝ってしまうのだ。
情けないことである。 


それで、災害とは全く関係ないのであるが、今回は魚の発酵食品について記事を書きたいのである。 以前琵琶湖博物館へ行ったときに、琵琶湖八珍 というのがあって、琵琶湖の魚8種(エビも含むが)についてその料理法を示している。 琵琶湖博物館見学

つぎの8種である。

ビワマス、コアユ、ニゴロブナ、ハス、ホンモロコ、イサザ、ビワヨシノボリ、スジエビ

パンフで見てみよう。





色んな料理法があるものである。 この中に、二ゴロブナのフナズシハスのナレズシ、メズシがある。これらは、全て乳酸菌による発酵食品である。 

8種以外の湖魚もこめて、料理法の人気アンケート調査というのがあって、1位から10位までは、つぎのようになった。 やはり、日本人はウナギが好きですね。フナズシは、6位に入っている。

1)うな丼 783
2)アユの塩焼き 770
3)シジミ味噌汁 623
4)コアユの天ぷら 530
5)シジミ御飯 511
6)フナズシ 500
7)エビ豆 460
8)コイの造り 447
9)うな重 417
10)ビワマスの握り 366


これらの魚の発酵食品について、ネット検索でお勉強するのが今回の目的です。 私もフナズシやムロアジのクサヤなどを食べたことがあるし、この種の食品には興味があるので、この際調べて見ようと思ったわけです。

1) 二ゴロブナのフナズシ


お腹の中が、卵で一杯ですね。 この太った奴が一番旨味がある。 良く知られているように、高価な食品です。 調べてみると、スライス 400grで5000円位です。 一匹丸ままというのもある。 まあ珍味で、値段ほど美味という訳ではない。 私は酒の当てとして、食べたが生臭魚チーズという感じであった。 

二ゴロブナは、この魚です。


作り方:
ふなずしは、塩漬けした「ふな」をごはんと混ぜてじっくり漬け込み発酵させます。本漬け(めし漬け)約1年弱で食べられる。

味:
納豆やチ-ズとよく似た独特の香りがします。鮒寿司通の方にはたまらなく、お酒のつまみや鮒寿司茶漬けに使われる。

フナズシは、にぎり寿司の元になった食品だが、通常のにぎり寿司とは異なり、ごはんは魚を発行させるためだけに使う。 私は食べたが、通常ごはんは食べない。 固くて生米そのものという味。  

フナズシには、大量の乳酸菌が付着しており、その数1gr当たり、数千万から1億ほど。 コレステロールを低減する乳酸菌が含まれ、健康増進効果も高いそうだ。 中高年向きの食材ですな。


2)ハスのナレズシ、メズシ

ナレずし

 

本体は、これです。


成長すると30cmは超える、コイ科の魚食魚である。やはり顔つきがいささか獰猛である。

味はフナズシ同様、塩味でチーズ臭がするようである。 しが 農村の魅力発信 によると、

恐るおそる1口食べてみるとkao03美味しい!!kao01
塩味ですがさっぱりしていて、ハスの身がギュッと締まって、うま味を閉じ込めている感じkao05

私は、鮒寿司よりすごく食べやすい、いくらでも食べれるナレずしでした。
お酒のおともになります!!
お茶漬けにも合いそうですiconN36


だそうです。一度食べてみたいものである。

こちらが、ハスのメズシ
 
沖島メズシ


解説によると、

 塩漬けしたハスの稚魚をご飯に漬けたナレズシの仲間ですが、発酵させる期間が短いため、フナズシよりはくせが少なく、大変食べやすいスシです。ナレズシの入門編にお勧めです。

とあります。ナレズシの簡易バージョンなのですね。


3) ムロアジのクサヤ

ここからは、琵琶湖の魚から外れる。 



これは、八丈島のクサヤです。 焼くとこんな風になり、実に美味そうだ。

大吉丸 - 料理写真:ムロアジのくさや

実物はこれ。普通のアジより、丸くってかなり太っている。




また、春トビウオのクサヤというのもある。




魚を天日干しにする前に、くさや液に漬けこんで作るわけですね。 魚の身自体が発酵しているのでなく、この液が細菌により発酵しているそうだ。 かって、明治大正時代は低賃金労働者のごはんのおかずであったが、現在は高価な嗜好食品になっている。 調べてみると、ムロアジのクサヤで1枚500円くらいなので、通常のアジの干物の4~5倍の値段である。


製造過程は、

新鮮な魚 → 腹開き→ 水洗い・血抜→ くさや液漬けこみ → 取り出し
 
→ 水洗い → 乾燥(数十時間) → 完成

となっている。 手間暇かけているわけですね。



4) 発酵エイの刺身「ホンオフェ」

これは韓国の発酵食品で、エイをわらなどでくるんで壺のなかに詰め込み、10日くらいほど発酵させて作る。 エイは死後に自家発酵をはじめ、体内にアンモニアを生成し、それが発酵を進める。したがって、猛烈にアンモニア臭い。 強烈なアルカリ食品です。


発酵させたエイの刺身(ホンオフェ)

エイの頭が、怪獣ガラモンの顔みたいである。 

画像を与えるほどもないが、実物はこれ。 
磯釣りでもたまに釣れますが、日本人はまづ食べない。 



韓国には、何度も行っているがホンオフェは食べたことはない。 しかし、その臭いは嗅いだことがある。 ケブルと違って、とても食べる気にはならぬ。 如何物食い

この発酵させたエイを刺身のように切って食べる。 食べ方としては、

発酵して臭いが強いホンオフェは、茹でた豚と白菜キムチで巻いて食べるのが一般的です。アンモニア臭を中和するとともに、豚肉の甘みとキムチの酸味が、ホンオフェの旨みを引き立たせるという。発酵させればさせるほど身が柔らかくなり、美味とされる。

Wiki によると、臭いの強さは納豆の14倍、キビヤックの5倍であるとされる。

これがもろにオシッコの臭いなのね。 

という発言があるが、これもクセになるとうまいのだろうね。 しかし、あまり食べたいとは思わぬ。



4) 発酵ニシンの缶詰「シュールストレミング」

最後は、世界一臭い食べ物である「シュールストレミング」である。

Wikipedia によると、つぎのような説明がある。


シュールストレミング
      
 シュールストレミングの缶を開けたもの

シュールストレミング(スウェーデン語: surströmming [sʉ̌ːʂtrœmːɪŋ] スーシュトレンミング
主にスウェーデンで生産・消費される、塩漬けのニシンの缶詰。その強烈な臭いから、「世界一臭い食べ物」と評されることもある。
スウェーデン語で「スール (sur)」は「酸っぱい」を、「ストレンミング (strömming)」は「バルト海産のニシン」を意味する。

バルト海産のニシンです。 調理されたやつだが・・・。 





シュールストレミングの製造過程は、

バルト海産のニシン(3月) → 塩づけ(1日)→ 頭・内臓除去→ 塩づけ一次発酵 → 缶詰
 
→ 缶内で二次発酵 → 完成(8月) 


となっている。 半年かけて作るわけだ。 二次発酵によるガスで、缶自体が丸く膨らみ、下手に缶を開けるととんでもないことになる。 そのため缶には、屋外でレインコートを羽織って開缶せよと書いてあるそうだ。

この動画を見てください。 漫画家の荒木飛呂­彦、松井優征 がシュールストレミングに挑むというものです。 しかし、結末はない。 JoJoのファンの方には、見逃せないかもしれぬが、結末をみるのは有料になる。


[第1話]JOJO's Kitchen「シュールストレミングを食べてみた!」

実際に開けて食べるという動画はこれです。

2012年明けましてシュールストレミング

因みに、食品の臭気指数のベスト10をあげる。 このようになっている。


シュールストレミング8070
ホンオフェ6230
エピキュアーチーズ(缶詰チーズ)1870
キビヤック1370
くさや(焼きたて)1267
鮒寿司486
納豆452
くさや(加熱前の干物)447
沢庵漬け(古漬け)430
臭豆腐420
数字はアラバスター単位 (Au) による測定。

食べ慣れるとクセになるかね? マズイ、マズイと言っておる。 こいつもあまり食べたいとは思わぬ。

ということで、今回はこれでおしまい。

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