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2014年9月29日月曜日

フランシス・グリューベル


余り知られていないが、36歳で夭折したフランス人画家である。

探してみたが、日本語のWikipediaページはない。 英語版とフランス語版はあったが、長い記事ではない。 

随分前にみた新表現派の画集で、人生の非痛さに耐えているような彼の裸婦像に、私は強く印象づけられたのだ。 彼の伝記をWikipedia 西洋美術辞典 等により引用する。 一部改変。

1912年にナンシーの硝子製造人の子として生まれる。 幼時ベルギーに旅行し、その地の建築の怪奇なのに印象づけられる。 

18歳で個展を開く。若い頃は、ヒエロニムス・ボッシュアルベルト・デューラーの絵画に影響をうける。 パリにでて、R.ビシエールおよび G.ブラックと交遊する。

 
1928年パリのスカンジナビア・アカデミーに入り O.フリエスに学ぶ。 30年サロン・ド・トンヌに初出品。 それ以後、定期的に作品を発表。 第二次大戦後は風景画も書き始める。
47年国家賞受賞。   
  
彼の画風は、表現派といわれ、人生の非痛な面を深刻な構図および激しく尖った筆遣いで描く。病をおして制作し、36歳にて夭折す。


 私の印象に残ったのは、この絵です。


Francis Gruber

 Wikipedia の英語版では、このように説明されている。     
      
Francis Gruber (1912–1948) was a French painter and founder of the Nouveau Réalisme school.
He was born in Nancy, the son of stained glass artist Jacques Gruber.
He first exhibited at the age of 18. While other artists were becoming more and more abstract, he preferred to paint human figures that were highly sculpted. He was influenced by Hieronymus Bosch and Albrecht Dürer and the Lorraine engraver Jacques Callot. He became friends with the Swiss artist Alberto Giacometti.
He died in Paris.

 (例によって下手な訳) フランシス・グリューベルは、フランスの画家であり新表現派の創始者。彼は、ステンドグラス工芸家のジャック・グリューベルの息子としてナンシーにうまれる。18歳で最初の個展を開く。新表現派の他の作家はより一層の抽象を目指したが、彼は彫刻をするような精確さで人間の指を描くなど具象の方向を選んだ。 彼は、画家のヒエロニムス・ボッシュやアルベルト・デューラー、 彫刻家のジャック・カロットに影響をうける。 後にスイス人の彫刻家であるアルベルト・ジャコメティーの友人となる。 パリで死去。


彼の自画像です。 ブュッフェと違ってギスギスした感じはないが、生きて行く悲しみというか、哀感の満ちた絵柄である。



彼の絵画を幾つか見ていく。
 
 


人生に疲れた爺さんですな。 画家の心境を表しているのやもしれぬ。
 
 
画家を思わせるような少年と、断崖絶壁に立つ馬、その背にはハゲワシらしき鳥。
 
 
絵布に横たわる裸婦。
 
 
グリューベルを特徴づける裸婦の絵。その表情がなんとも言えぬ苦しみを表す。
 
 
 
このようなタイプの異なる女性像も描いている。
 
 
 
彼の風景画です。 透き通った淋しさと悲しみが、風景に託して表現されている。
 
彼も海辺の風景が好きらしい。 
 
 
死後66年経過しているが、本国では、いまも人気がある。 ヨーロッパのどこかしこで展覧会が開かれている。 日本でも、展覧会をやって欲しいものだ。  Francis Gruber
 
 

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