近くにあると、却って意識にのぼらなくって忘れてしまうのだ。先日改めて訪問したので、その訪問記を書く。まあ、散歩がてらの写真紹介にすぎぬのだが・・・。
道路脇に、このような標識がある。
それとは別に、入り口には立派な「神戸文学館」の銅板がある。
建物は、このように教会風である。
歴史的には、1904年に関西学院のチャペルとして建てられた由緒ある建築物。
Wikipediaにもちゃんと記載されている。
神戸文学館(こうべぶんがくかん、Kobe City Museum of Literature)
兵庫県神戸市灘区にある近代文学館。
神戸文学館 Kobe City Museum of Literature | |
---|---|
施設情報 | |
前身 | 関西学院チャペル 王子市民ギャラリー |
専門分野 | 神戸ゆかり文学 |
事業主体 | 兵庫県神戸市 |
開館 | 2006年 |
所在地 | 〒650-0838兵庫県神戸市灘区王子町3丁目1番2号 |
概要を記すと、
阪神・淡路大震災からの文芸復興のため、神戸市が策定した「文化創生都市推進プラン」の一環として、2006年12月4日に開設された。近代に活躍した神戸ゆかりの小説家・詩人・文学者41人の原稿や所縁の品々等を時代ごとに区切りその時代の神戸の風景写真とともに常設展示する。
また神戸を描いた文学者と作品についての展示も行っている。
- 開館時間 平日 - 10:00 ~ 18:00
- 土・日・祝日 - 9:00 ~ 17:00
- 休館日 - 水曜日(休日の場合はその翌日)、12月28日 ~ 1月4日
ということである。
これが入り口。
入館料は無料。パンフも入手できるが、入館者はできれば署名することが求められる。私は、神戸市民なので、大威張りで署名した。
これがパンフ。
その裏面。
またチラシには、神戸文学館の歴史、年表、建築についての説明がある。 画像を拡大して頂ければ充分に読めると思うので、文章のコピペは省略。
このようになっている。大ファンの作家も結構いるのだ。著書を読んだことのある作家を赤太字で示してみた。お遊びですな。
神戸ゆかりの文学者
名前 | 生没年 | 出身 | 神戸との所縁、その他備考 |
---|---|---|---|
小泉八雲 | 1850-1904 | ギリシャ | 中央区のジャパンクロニクル社に勤務し、山本通4丁目に住む |
モラエス | 1854-1929 | ポルトガル | ポルトガル総領事として神戸に永年住む |
正岡子規 | 1867-1902 | 愛媛県松山市 | 須磨で療養する |
江見水蔭 | 1869-1934 | 岡山県岡山市 | 神戸新聞社勤務、神戸に住む |
尾崎放哉 | 1885-1926 | 鳥取県鳥取市 | 須磨寺で寺男として働く |
谷崎潤一郎 | 1886-1965 | 東京都中央区 | 東灘区、芦屋市などに住む |
賀川豊彦 | 1888-1960 | 兵庫区 | 中央区に住む |
富田砕花 | 1890-1984 | 岩手県盛岡市 | 芦屋市に住み、神戸で活動 |
土田耕平 | 1895-1940 | 長野県諏訪市 | 須磨で療養する |
高浜虚子 | 1974-1959 | 愛媛県松山市 | 須磨に住む |
坂口保 | 1897-1989 | 東灘区に住む。神戸山手女子短大学長 | |
十一谷義三郎 | 1897-1937 | 中央区元町 | 神戸一中卒 東京帝大入学後は東京に住む |
今東光 | 1898-1977 | 神奈川県横浜市 | 関西学院に在学 |
五十嵐播水 | 1899-2000 | 姫路市 | 中央区で医院を開業 |
阪本勝 | 1899-1975 | 尼崎市 | 兵庫県知事として神戸で勤務 |
永田耕衣 | 1900-1997 | 加古川市 | 須磨に住む |
西東三鬼 | 1900-1962 | 岡山県津山市 | 中央区北野町に約5年住む |
稲垣足穂 | 1900-1977 | 大阪府大阪市 | 明石市に住み、神戸で活動する |
衣巻省三 | 1900-1978 | 但馬 | 神戸に住む |
横溝正史 | 1902-1981 | 中央区 | 神戸二中卒 |
山本周五郎 | 1903-1967 | 山梨県大月市 | 須磨に住む |
竹中郁 | 1904-1982 | 兵庫区 | 神戸二中卒 |
三條東洋樹 | 1906-1983 | 中央区元町 | 兵庫区に住む |
及川英雄 | 1907-1975 | 赤穂市 | 垂水区に住む |
白川渥 | 1907-1986 | 愛媛県 | 神戸で活動 |
津村信夫 | 1909-1944 | 中央区生まれ | 映画評論家津村秀夫は兄 |
大岡昇平 | 1909-1988 | 東京都新宿区 | 中央区、兵庫区、灘区に住む |
武田芳一 | 1910-2001 | 神戸市 | 兵庫区に住む |
田宮虎彦 | 1911-1988 | 東京都 | 神戸一中卒 兵庫区の奥平野に住む |
椎名麟三 | 1911-1973 | 姫路市 | 宇治電鉄(現・山陽電鉄)に勤める |
小林武雄 | 1912-2002 | 姫路市 | 北区に住む |
足立巻一 | 1913-1985 | 東京都 | 中央区三宮と、須磨に住む |
富士正晴 | 1913-1987 | 徳島県三好市 | VIKING同人。神戸で活動。野間宏は義兄。 |
野間宏 | 1915-1991 | 長田区 | |
直井潔 | 1915-1997 | 広島県広島市 | 長田区に住む。志賀直哉の弟子 |
島尾敏雄 | 1917-1986 | 神奈川県横浜市 | 灘区に住む。兵庫県立第一神戸商業卒。VIKING同人 |
小島輝正 | 1920-1987 | 北海道札幌市 | 灘区に住む |
五味康祐 | 1921-1980 | 大阪府大阪市 | 兵庫区奥平野に住む。元町で甘味店を営む |
遠藤周作 | 1923-1996 | 東京都豊島区 | 灘区に住む。灘中卒 |
赤尾兜子 | 1925-1981 | 姫路市 | 垂水区、須磨区、東灘区に住む |
三枝和子 | 1929-2003 | 神戸市 | 関西学院大学卒 |
久坂葉子 | 1931-1952 | 中央区 | VIKING同人。曾祖父は川崎正蔵 |
う~む。 我ながら読書家だったんだね。 自分でもびっくりだ。 最近になって(定年後)読んだ作家も少なからずいる。
館内の展示室の様子である。
谷崎潤一郎の源氏物語や細雪の特製愛蔵本なども展示されている。
モラエスの極東遊記。 現在では、稀覯本なんだろうね。
このような貴重な書籍等が展示されています。入館料0円なので、是非お立ち寄りください。王子動物園の隣なのですぐに分かります。
さて、館内にはこのようなチラシが置いてありました。
そうなのです。この文学館で川柳誌ふあうすと1000号に関する企画展が開かれています。
4月12日まで開かれています。
神戸文学館企画展「人間を詠んだ、時代を斬った~川柳誌ふあうすと1000号の軌跡~」開催
「人間を詠んだ、時代を斬った
~川柳誌ふあうすと1000号の軌跡~」
■会期
2015年2月1日(日曜)~4月12日(日曜)
■趣旨
川柳誌「ふあうすと」が誌齢1000号に達しました。
1929(昭和4)年、川柳六大家の一人と言われる椙元紋太ら18人の同人によって神戸・花隈に生まれました。
誌名の由来はドイツの文豪ゲーテの大書「ファウスト」。真理を求めて言の葉を綴りました。ありのままを、思うままを。生きる喜びを、つらさを。世のおかしさを、むごさを。
根底にあるのは「川柳は人間」との思い。人間が川柳をつくり、川柳が人間をつくる―。神戸の進取、自由の風の中で、句は生まれ続けました。戦争の時代を乗り越え、焼け跡からの復興、繁栄、そして阪神・淡路大震災という再びの苦難にも遭遇しつつ、全国の同人らが詠むおびただしい数の句を刻んでいきました。
86年間にわたる1000号の軌跡からは、人間賛歌の大合唱が聞こえてきます。
■展示内容
ふあうすと誌、記念句集、写真などで時代の流れの中での歩みを紹介。創刊号(昭和4年)から1000号に至る節目の各号、ふあうすとが“敵性語”として改名を余儀なくされた戦時中の「もめん」時代の各号、阪神淡路大震災10周年ふあうすと川柳大会特集号、大会での作句風景や同人らのスナップ写真、神戸のまちの移り変わりを物語る写真、86年間に生まれた秀句の数々など。
■記念講演
「『ふあうすと』1000号の歩み」
日時:2月28日(土曜)午後2時~午後3時30分
講師:赤井花城(ふあうすと川柳社主幹)
記念講演は、終わってしまってます。紹介が遅かったですね。
このように面白い展示が沢山ありますので、川柳ファンの方も是非どうぞ。
今回は、これでおしまい。
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