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2015年6月13日土曜日

地球ごま

昨日の毎日新聞朝刊の余禄に、

惜しまれながら生涯を終える「地球ごま」

とあった。製造元のタイガー商会での販売が全て終了したとの事である。タイガー商会と聞いて、あのタイガー計算機のメーカーかと思ったが違うらしい。



こちらのほうも懐かしいね。製作は、タイガー計算機株式会社。現在は、株式会社タイガーと名称変更している。

のっけから脱線してすまぬ。 地球ゴマ だが、 Wikipediaによるとこう説明されている。

地球ゴマ(ちきゅうゴマ)

ジャイロ効果の原理を応用した科学玩具で、名古屋にある株式会社タイガー商会の主力製品である。「地球ゴマ」の名称は、地球の自転・公転運動を分かりやすく説明できることから命名された。

これですね。懐かしの玩具です。中学生の頃、良く遊んだものだ。確かめてないが、息子達も遊んでいたはずです。




家のどっかにあったはずと思って探してみたが見つからない。捨ててしまったのかも知れぬ。
記憶にあるのは、このような中央が赤で塗られたコマである。裏側が青だったけ?
鉛筆の芯の先に乗せたりできる。



これが無くなってしまうのである。 寂しいことである。

日経ビジネスの記事より引用:

タイガー商会工場長巣山 重雄
1929年愛知県生まれ。時計メーカーなどに勤務した後、61年タイガー商会に入社。以来50年以上、技術者として地球ゴマの製造を担当する。長年、工場長を務める。2005年、2代目社長の加藤武氏の急逝後、巣山氏が製造、販売、部品調達などの現場運営を担当してきた

(写真=堀 勝志古)
タイガー商会と廃業
 
1921(大正10)年、時計メーカーの技術者だった加藤朝次郎氏が科学玩具「地球ゴマ」を開発。
タイガー商会を名古屋市で創業。60年代に2代目社長の加藤武氏がテレビコマーシャルなど宣伝を強化して大ヒットする。経営は長年、安定していたが、職人の不足と高齢化から今年4月末をメドに廃業する。
 
巣山 重雄氏談:
 
回転しながら綱渡りをしたり、ペン先に立ったりする。
タイガー商会はそんな科学玩具「地球ゴマ」一筋で、1921(大正10)年から作り続けてきました。
私自身、50年以上、職人として地球ゴマの製作に打ち込んできました。
ですが、ついに力尽きました。
創業から今年で94年。何とか100周年までは頑張ろうと思ってきましたが、このたび廃業せざるを得ない状況になりました。
社長の後継者がおらず、職人も高齢化して技術の伝承ができない。
工場長として懸命に現場を率いてきましたが、残念ながらこれ以上、会社を継続することは限界でした。


大正10年から作られている。そんなに古くからあるとは、思いもしなかった。親父が子供の頃には、もう既にあったわけで云わば歴史を刻んできた玩具だね。

製造終了の核心は、これです。

地球ゴマの命はその精度にあり
これを機械で大量生産することは不可能なのだ。

タイガー商会の熟練した職人でなければ、本物の地球ゴマを作ることはできないのです。

精密な玩具にもやはり寿命が存在する。

10分の1の速度でスロー再生した地球ゴマの動きを動画で見てください。


Tikyuugoma 地球ゴマ

静かに回転する厳かな動きと言えるやもしれぬ。

余禄氏は、最後にこう述べている。

回転力が次第に衰え、やがて運動を止めてしまう姿は
人の一生に似ていなくもない。
地球ゴマに人がひかれるのは、精密な構造のなかにも
無常があるからだろう。

そんな事をついぞ思ったこともないが、上手い文章を書くものである。私は、只のノスタルジーのみである。感受性の違いなのかと、感心しきりである。

年をとれば、運動を止めて(死亡)しまうのが人間の常です。無常と言えるようにも思うが、強引な結び付けでないのかしらん。いずれにせよ、

全てにおいて永遠につづくものはない。

これで今回はおしまい。

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