惜しまれながら生涯を終える「地球ごま」
とあった。製造元のタイガー商会での販売が全て終了したとの事である。タイガー商会と聞いて、あのタイガー計算機のメーカーかと思ったが違うらしい。
こちらのほうも懐かしいね。製作は、タイガー計算機株式会社。現在は、株式会社タイガーと名称変更している。
のっけから脱線してすまぬ。 地球ゴマ だが、 Wikipediaによるとこう説明されている。
地球ゴマ(ちきゅうゴマ)
ジャイロ効果の原理を応用した科学玩具で、名古屋にある株式会社タイガー商会の主力製品である。「地球ゴマ」の名称は、地球の自転・公転運動を分かりやすく説明できることから命名された。
これですね。懐かしの玩具です。中学生の頃、良く遊んだものだ。確かめてないが、息子達も遊んでいたはずです。
家のどっかにあったはずと思って探してみたが見つからない。捨ててしまったのかも知れぬ。
記憶にあるのは、このような中央が赤で塗られたコマである。裏側が青だったけ?
これが無くなってしまうのである。 寂しいことである。
日経ビジネスの記事より引用:
[タイガー商会工場長]巣山 重雄氏
(写真=堀 勝志古)
タイガー商会と廃業
1921(大正10)年、時計メーカーの技術者だった加藤朝次郎氏が科学玩具「地球ゴマ」を開発。
タイガー商会を名古屋市で創業。60年代に2代目社長の加藤武氏がテレビコマーシャルなど宣伝を強化して大ヒットする。経営は長年、安定していたが、職人の不足と高齢化から今年4月末をメドに廃業する。
巣山 重雄氏談:
タイガー商会はそんな科学玩具「地球ゴマ」一筋で、1921(大正10)年から作り続けてきました。
私自身、50年以上、職人として地球ゴマの製作に打ち込んできました。
ですが、ついに力尽きました。
創業から今年で94年。何とか100周年までは頑張ろうと思ってきましたが、このたび廃業せざるを得ない状況になりました。
社長の後継者がおらず、職人も高齢化して技術の伝承ができない。
工場長として懸命に現場を率いてきましたが、残念ながらこれ以上、会社を継続することは限界でした。
大正10年から作られている。そんなに古くからあるとは、思いもしなかった。親父が子供の頃には、もう既にあったわけで云わば歴史を刻んできた玩具だね。
製造終了の核心は、これです。
地球ゴマの命はその精度にあり
これを機械で大量生産することは不可能なのだ。
タイガー商会の熟練した職人でなければ、本物の地球ゴマを作ることはできないのです。精密な玩具にもやはり寿命が存在する。
10分の1の速度でスロー再生した地球ゴマの動きを動画で見てください。
静かに回転する厳かな動きと言えるやもしれぬ。
余禄氏は、最後にこう述べている。
回転力が次第に衰え、やがて運動を止めてしまう姿は
人の一生に似ていなくもない。
地球ゴマに人がひかれるのは、精密な構造のなかにも
無常があるからだろう。
そんな事をついぞ思ったこともないが、上手い文章を書くものである。私は、只のノスタルジーのみである。感受性の違いなのかと、感心しきりである。
年をとれば、運動を止めて(死亡)しまうのが人間の常です。無常と言えるようにも思うが、強引な結び付けでないのかしらん。いずれにせよ、
全てにおいて永遠につづくものはない。
これで今回はおしまい。
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