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2016年1月30日土曜日

母の創作 III

母が好んで作っていたのは、羽子板上の押絵である。サイズは、通常の羽子板サイズから、22㎝×9㎝サイズ、もっと小さな15㎝×6㎝サイズまで色々ある。

まづ自宅の玄関に飾ってある母の作った押絵を見て頂きたい。その額の横に立てかけられているのがそれである。適切かどうかわからんが、押絵羽子板と呼ぶことにする。


羽子板押絵は全て手作りで、板は主にそうめんの木箱を流用している。私はてっきり母が糸ノコで、羽子板状に切り出しているとばかり思っていた。しかし、昨日の見舞いのとき、父が鋸で正確に板から切り取り、根元の曲線の部分はナイフとサンドペーパーでキレイにしてくれたと母から聞いた。
「おとうちゃんは、ベランダで文句も言わず切ってくれたんやで。それに、倒れんようにと立てる台も作ってくれたんや。」
思いがけなかったが、確かに手先の器用な、そんな所は優しく親切な親父ではあった。私にはとても出来ぬ技だ。だから、羽子板押絵については、両親の合作と言っても良いのかもしれぬ。

刺繍の入った布地は、雛人形の余り生地を使っている。天王寺の露天商などで売っているのを妹が入手したそうである。

私は押絵羽子板を何枚も貰った。海外に出向く時は、幾つか持っていき、お土産として差し上げると大層喜ばれたものである。土産代の節約に使った訳だ。海外の弟子達は、今も部屋に飾っていてくれていると思う。

まづ実物大の押絵羽子板である。 写真の台は父の製作。

花笠音頭


獅子舞

以下小サイズの押絵羽子板。 下手な作品解説はしない。 眺めて頂ければ嬉しい。








人形棚に飾られていた押絵羽子板。 あらためて取り出して写してみた。様々な意匠のものがある。 支え台は、余りものの板で作ってある。












 

自宅玄関に置いてあるのもそうだが、洋風の押絵羽子板も作っている。

 
 


母がこのような作品を楽しみで作ってきたのだということを、知って下さるだけで私は嬉しい。
もう1回つづける予定だが、今回は、これでおしまい。


 

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