かってアボリジ二の宇宙絵といわれた岩絵がある。
1960年代には、この絵は魚のような形の宇宙船から宇宙人が降り立った様子を描いた古代絵だと紹介されていた。 実際は違っていて、宇宙絵でもなく古来の画法を守って、現代のアボリジニが1960年代以前に描いたものだと分かっている。
このような壁画は、オーストラリアの北部、キンバリー地方にある岩場で次々と見つかっている。古代のアボリジニの壁画とされている。
描かれたのは、3000年前から5000年前ころと推定されていたが、最近になって描かれたものも多数あるということがわかった。
描かれているのは、アボリジニの天地創造神話に出てくる神や精霊だという。
天空人協会 の記事によると、こう書かれている。
精霊ウォンジナ(Wondjina)の壁画。それは西オーストラリア州北西キンバリー地方の岩絵に描かれた丸い頭に後光があり目や鼻はあるが口のない不可思議な人物像です。
壁画の描かれた年代は紀元前3000年頃とも言われていますが、定かではありません。ウォンジナはキンバリー地方のアボリジニの重要な精霊であり、今でもオーストラリア先住民アボリジニ美術の重要なモチーフの一つになっていますから、描かれた年代も様々だったことでしょう。
アボリジニの伝承によれば、ウォンジナは降雨や雲、雷と関係した精霊で、怒ると暴風や洪水を起こすと信じられています。アボリジニの言うドリーム・タイム(天地創造の時代)に北からやって来て山や森や海、川や生き物を創り出したとされている。
また、生涯感動・オーストラリア大自然の旅 というサイトには、このように説明されている。
ドリームタイム(天地創造の時代)には、世界は特色の無い平坦な世界だったと伝えられている。
そんな世界で、形ない物から生まれた森羅万の祖先の“スピリット”は、世界中を歩き回り、万物を創造し命を吹き込んでいった。
スピリットはひとつではなく数多くあり、万物の創造を終えると、植物や鳥、岩など、自然界の様々なものに姿を変えた。その為、アボリジニの世界では自然界にあるものには、それぞれ魂が宿っていると信じられている。
アボリジニの神話に出てくる精霊にはつぎのようなものがある。 Wikipedia より引用。
・イピリア(Ipiria)
(これは、イラスト)
アボリジニが崇拝していた精霊のひとつ。
髪の毛と髭があり、虹色に輝く巨大なヤモリの姿をしており、いつも沼の底で眠っているが、 一年に一度だけ沼から這い出し、草と水で腹一杯になると、今度は腹の中のものを一気に空に吹き上げる。 それが雨雲と変わり、大地に大雨を降らし、雨期の到来を告げ、大地に豊穣を齎すと伝わる。アボリジニの人々は、雨雲と共に訪れる雷鳴はイピリアの鳴き声であると考えていた。
・グランガチ(Gurangatch)
オーストラリアの先住民アボリジニの伝説に登場する川や海の精霊の一種。ワニのような姿で、体には魚の鱗があり、頑丈そうな前足と未発達の小さな後足を持つ。
グンダンガーラ族の人々が祖先の霊として敬う神的な存在で、夜は静かに水の底に横たわっており、昼間は岸に這い上がって日光浴をするという。
・バニップ(Bunyip)
オーストラリアの川や湖に棲んでいるとされる伝説上の怪物。
巨大な蛇のような体形をしているが頭は鳥で、固い嘴を持つとされる。しかし、バニップは人を襲い食らう怪物で、目撃者はみな食い殺されるため、その姿を確実に知っている者はいないという。
・ヨーウィー(Yowie、Yowie-Whowie)
オーストラリアにおいてアボリジニの伝承に登場する架空の生物である。フーウィー、ウォーウィーとも呼ばれる。
ヨーウィーは6本の昆虫のような足を持ち、頭と胴体はトカゲで、ヘビの尻尾を持っている。
画像は見当たらない。
アボリジナルアートには、このような精霊やカンガルー、魚、カエル、ワニ、ウミガメなどをテーマとして独特の砂絵風表現で描かれているものが多い。 新印象派のように、点描で全てを表現しようとしている、と言ってよいのであろうか。
今回の記事では、このようなアート作品を紹介したい。画像はあちこちから取ってきたので。出典は明示しない。見たところ、それらの画像自体がコピペされたもので、その引用元が示されていないという理由もある。
まづは、アボリジニが生んだ天才画家と言われるエミリー・ウングワレー
の砂絵風作品。
彼女は、 1910年ごろオーストラリア中央の砂漠地帯で生まれ、1996年に亡くなったという。カンヴァスに絵を描きはじめたのは1988年からで、その後の8年間で3000点も制作する。
6年前の話だが、2008年に国立新美術館で回顧展が開催された。
その他、製作者の名前は不詳であるが、アボリジナルアート作品をあげていこう。
動物を描いた図案。
抽象的な図案。
その製作風景。
今回は、これでおしまい。
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