ということで、今回は神社やお寺で見受けられる神使の像のお話。
神社仏閣巡りをしていると、境内で様々な動物の像を見かける。 殆どの神社で見られるのが狛犬。
河内国魂神社の拝殿
それ以外には、例えば以前紹介した河内国玉神社の牛や馬、走水神社の狛牛などである。
神戸の神社ーー河内国玉神社と王子神社 神戸の神社ーー三宮神社と速水神社
その他、イノシシ、ウサギ、ニワトリ、ヘビ等沢山の種類の動物がいる。
これらの動物は、大体は神使とよばれる神仏のお使いである。 日本神話に現れる動物や十二支の動物が主であるが、それ以外にもカニとかシカなどがいる。
それで、神使の全貌を知りたいと思い、早速Wikipediaで調べてみた。
神使(しんし)
神道において神の使者(使い)もしくは神の眷族で神意を代行して現世と接触する者と考えられる特定の動物のことである。
「神の使い」「つかわしめ」などともいう。時には、神そのものと考えられることもある。その対象になった動物は哺乳類から、鳥類・爬虫類、想像上の生物まで幅広い。
神使という言葉が、一般に広まったのは、私が思うに漫画『ぎんぎつね』のお蔭ではあるまいか。
内容は、とある町の小さな稲荷神社を舞台に、神社の十五代目跡取・冴木まことと、神使(しんし)の狐・銀太郎の2人が中心となって、神社や神々にまつわる存在を中心とした日常と、それらの出来事を通じてまこと達が成長する姿を描く話である。 (by Wikipedia)
神使の狐・銀太郎
静かなラブストーリーとでも言おうか、良質な漫画です。作者は、落合さより。 アニメ化もされているようだ。 実は、私の愛読書です。 単行本は全て所有している。
Wikiによる、神使とされる動物とそれを祀る主要神社のリストは、これである。
動物 | |
---|---|
鼠 | 大黒天 |
牛 | 天満宮 |
蜂 | 二荒山神社 |
兎 | 住吉大社・調神社 |
亀 | 松尾大社 |
蟹 | 金刀比羅宮 |
鰻 | 三嶋大社 |
蛇 | 弁才天・大神神社 |
海蛇 | 出雲大社 |
白蛇 | 諏訪神社 |
狐 | 稲荷神・伏見稲荷大社 |
鹿 | 春日大社・鹿島神宮・厳島神社 |
猿 | 日吉大社・浅間神社 |
烏 | 熊野三山 |
鶴 | 諏訪大社 |
鳩 | 八幡宮 |
鷺 | 氣比神宮 |
鶏 | 伊勢神宮・石上神宮 |
狼 | 武蔵御嶽神社 |
鯉 | 大前神社 |
これら全ての神使の画像を私流に紹介したいと企てたのだが、一度では到底無理である。故に今回は、十二支の動物に限ることにした。
記事の調査段階で、関連記事を調べていると、神使に関する実に優れたサイトを発見した。 これです。 神使の館
これは、狛犬の杜・別館 というホームページからスピンオフしたようなサイトです。
現在も更新し続けているが、全国各地の神社における神使の像の写真がアップされている。その記事の著者である福田博通さんが神使の本を出版した。
「神使になった動物たち 神使像図鑑」
桐書房
A4版 オールカラー 208頁
定価 2,625円(本体2,500円)
神社や寺にいる様々な動物たちの像を体系的にまとめたもので、38種類の神使を1,500枚以上の写真で構成した画期的な、そして、初の神使専門図鑑となっています。
との事である。 大変な労作ですね。 図書館にあれば、見てみたいものです。
因みに、福田さんのサイト 神使像めぐり には、面白い記事が満載です。(まだ、2,3の記事しか読んでませんが、素人にも大変解かりやすく書かれている。例えば 象頭の秘仏 歓喜天 の記事は実に面白い。)
福田さんの著書を見れば、私の企ては終わるのだが、本記事ではこの本の露払いのような事をさせて頂きたい。
それでは 神使の館 の画像やWikiの画像を使用させて頂いて、十二支の神使紹介を始める。
神使は、神話の登場人物とか著名人とペアになって現れているのが多い。組み合わせは様々である。 例えば、鼠は大黒天のみだが、牛ならば、菅原道真と須佐之男命とかがある。
ここでは、それらを踏襲して神使を紹介したい。
十二支は、
鼠 牛 虎 兎 龍 蛇 馬 羊 猿 鶏 犬 猪
なので、この順番で紹介する。見て楽しんで頂ければ嬉しい。
大黒天の鼠
菅原道真の牛
毘沙門天の虎
大国主命の兎
龍を体現する神使はない。中国においては、龍は皇帝しか使えぬシンボルであったためと思える。代わりに神社では犬科の狼が使われている。
日本武尊(倭建命)のオオカミ
弁財天の蛇
馬頭観音菩薩の馬
弘法(空海)の教えの羊
猿田彦命(白髭明神)の猿
天宇受売命(アメノウズメノミコト)の長鳴鳥(鶏)
弘法大師(空海)の和犬
千手観音(千光寺)の猪
次に機会があれば、残りの神使いについての紹介をしたい。
今回はこれでおしまい。
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