西宮ガーデンズにある 大規模書店 Book 1st. で
「僕は数式で宇宙の美しさを伝えたい」 クリスティン・バーネット著 永峯涼訳 角川書店
を買った。 タイトルに心魅かれたからだ。
原本のタイトルは、”THE SPARK” でこのままだったら、
きっと翻訳本は買わなかったろう。
自閉症である天才的な息子を育てた母親の愛と勇気の自伝物語。
全部で34章からなる手記である。
アスペルガー症候群の息子をもつ母親の苦難の歴史が綴られており、
発達障害の専門家たちとの確執もあったりして、実際大変だったのだろう。
著者の息子ジェイコブは、アインシュタイン級のIQの持ち主で、
九歳で宇宙物理学についての独自の理論に取り組みはじめたという。
この子です。 式は、量子物理の分野みたいだ。
ご家族は、このようになっており、普通の家庭にみえる。
自閉症であった12歳の数学者かつ宇宙物理学者、
ということでアメリカでは一躍有名になった。
彼のヒーロは、物理学者のリチャード・ファインマンとドナルド・トランプだそうだ。
ご存じファインマン:物理の好きなアメリカ人全てのヒーロー。
トランプ: こんな金満家のどこがヒーローか?
また、彼がいうには:
“There are so many girls who have sparkly earrings, rings and dresses,
thousand dollar shoes and coats. I think that’s ridiculous.”
だそうだ。 これは、老人の私も同感。
天才ぶりの動画もあります。 Jacob Bernett
私が最も知りたかったのは、彼がどんな仕事をしたのだろうかという事だ。
本には我が子の天才ぶりの状況説明が多く、32章にはその具体的説明がある。
しかし、具体的にどの領域での天才なのか良くわからない。
本に曰く:
ジェイクの理論は相対性理論の一種でした。 それは優雅なほどシンプルで、
同時に超絶的に複雑でもありました。 もし息子の理論が正しければ、
まったく新しい物理学の一分野をひらいたことになります ・・・・ 以下略
これでは、何もわからない。
息子のわかりやすい(と彼がいう)その理論の説明を聞いて、
「ジェイキー ・・・・・・ なんて美しいの」
という言葉を発したそうだ。
また、こんな事も書いてある。
前略・・・ ジェイクは、一日のうちでも異なるテーマの間を易々と行ったり来たりして
研究しています------ 一般相対性理論、暗黒物質、ひも理論、量子物理学、生物物理学、
スピンホール効果、ガンマ線バースト など。
私は、ほんとかね? と思ってしまった。
理論や研究テーマがゴッチャに書いてある。 いかに天才であっても、
どのテーマも1日のうちに易々と行ったり来たりできるものではない。
私は、上のテーマで理解してると言えるものは何もない。
しかし、量子物理学 の分野では、
年間1万件以上の学術論文が出版されているのは知っている。
研究というからには、先行研究の理解が必要で、
このことからも異なるテーマへの研究の行き来は、時間的に無理だと思える。
World-NEWS では、
ノーベル賞候補として期待される (He is even tipped for a Nobel prize.)
と書いてあったが、 具体的説明はない。
結局、知りたかったことは何もわからない。
本自体は、私にとっては、苦労話と自慢話が多くて読んで面白いとは言えぬ。
本質的に理系の本が好きなかたには、勧めない。
昨日、一昨日と2日続けて、朝から晩までずっと Adjoint theory の計算をしていた。
結論から言うと、今だ完全にできていない。
特別な場合のみ、 共役作用素の特性行列関数がもとの作用素の特性行列関数の転置なることが証明された。 一般の場合は、ボルテラ積分項から生じるレゾルベント核の処理がうまくいかない。
時間ばかりかかり、いい加減嫌になってくる。
私は天才でなく、秀才ですらないので、たった1つの小結果さえ証明しきれないのだ。
トホホ でしかない。
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