リアルタイムで読んでいた漫画に、 『漫画アクション』に連載された
小池一夫 原作 小島 剛夕(こじま ごうせき)作画の 子連れ狼 がある。
私が、大学生のころに連載が始まり、喫茶店で熱心に読んでいたものだ。
絵は墨絵風で、迫力のあるタッチで劇画ではぴか一だった。
ストーリも、小池一夫 原作だけあって、奇想天外(当時は)で、実に面白かった。
色々と残酷シーンも出てきたりして、親子の絆は強し の感動路線だけでない面白味があった。
こちらが劇画界の巨匠である小池一夫で、
小島 剛夕(こじま ごうゆう と読むとばっかり思っていた)の写真はこれです。
なかなか写真は見つけにくくて、 同じ劇画家の 平田弘史 とは大違い。
ストーリーは、知られていると思うが少し書く。 (ウィキペディア参考)
乳母車を押し、背に「子を貸し腕貸しつかまつる」と書かれた旗指物を背負い、
街道を歩く子連れの浪人、元公儀介錯人・拝一刀 が主人公。
かつて一刀は公儀介錯人の要職を狙う裏柳生一族に一子・大五郎を除く一族を惨殺される。
更には、公儀を呪詛する謀反人の汚名を着せられ切腹を命じられたのだった。
その上意に逆らい、柳生の長子・備前、次子・蔵人を斬った一刀は、
大五郎と共に冥府魔道に堕ちた刺客となって旅に出る。
無口な一刀の、無類の強さ と 孤独な戦い にしびれたのである。
西部のガンマンみたいに賞金稼ぎをしながら、
一刀は仇討を果たすために冥府魔道を行くのである。
シトシトピッチャン シトピッチャン ちゃーんの仕事は刺客とな、
TVでドラマ化された時の主題歌が、今でも口にのぼってくる。
私にとって衝撃的に面白かったのは、映画化された作品を見たときだ。
『子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる』
若山富三郎主演、三隅研次監督で、 若山の弟の勝プロダクション作品。
このポスターは、英国と米国むけに編集された映画のもの。
最初、浪人がそんなに肥えていてどうすると思ったが、
映画で若山の殺陣を見てそんな気持ちは吹っ飛んでしまった。 筋肉デブだったのだ。
今でも覚えているが、若山富三郎の立ち回りと血しぶきの飛び散るシーンは凄かった。
大ヒットしたためすぐにシリーズ化が決定し、私はその全部を見た。
当時の作品を DVD化したのがこれ。
TVでドラマ化された時の拝一刀は、萬屋錦之助が演じた。
子連れ狼の第一作「子を貸し腕貸しつかまつる」と第二作「三途の川の乳母車」
を再編集して一本にまとめた作品が英国と米国で1980年に公開されている。
上のポスターの英語のロゴは、そのためのもの。
こんなポスターもある。
地獄へ向かう乳母車 なんて、西洋人には思いつかないロゴと思う。
さらに、2006年には 北アメリカで AnimEigo社 により
Shogun Assassin (将軍暗殺者) というタイトルで DVD化 されリリースされている。
これでまた、アメリカではカルト的な人気がでたそうだ。
ストリートアートで、こんなんがある。
クエンティン・タランティーノ監督の映画にもその影響が見られるそうだ。
翻って、小島 剛夕は作品 子連れ狼 よりも知られていない。
週刊誌に連載されていた、小池一夫 原作の ケイの凄春 なんかも面白かった。
同じく 乾いて候 というのもあった。
それ以外のも忘れてしまったが、 中学生時代に貸本屋でこんな本を読んだ気がする。
原作付でない漫画も沢山あったように思う。
これらは、今はもう殆ど読まれていないだろう。 それどころか本自体が見当たらない。
小島 剛夕の生年月日は、手塚治虫 と全く同じ。
手塚と同じように膨大な量の漫画を描いた。
これは、手塚治虫 の一番有名な写真。 切手にもなっている。
手塚の漫画は、殆ど全て作品として残っている。 全400巻。
小島 剛夕 の漫画は、専門店でも 子連れ狼 を除いてはそれほど置いていない。
彼自身は、忘れ去られつつあるのだろう。
しかし、約10年手塚より長生きした。
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