社碑 大歳神社 とくっきりと彫られている。
大歳神社(おおとしじんじゃ)というのは、年神(としがみ)を祀る神社で全国至る所にあるが、特に兵庫県下には多いようである。垂水区にも北区にも幾つかあり、近々訪問する予定である。
石鳥居 拝殿まで一直線で境内は細長い矩形になっている。
常夜燈 百年以上前の古いものと思えるが老朽化が激しい。橋の欄干のような柵が置かれていて崩れた灯籠などの残骸が置かれている。いずれ修復の予定なのだろう。
ご神木のクスノキ 市民の木に認定されている。 切り刻まれても生きているという感じのごついクスノキです。
常夜燈二基 金網で囲われているのは、子供が登ったりすると危険だからである。
「きけんだから のぼってはいけません」 の警告ではなく実行版です。
手水舎
柄杓はありませんが、竹筒の水差しは雰囲気があり(蛇口がなければ)中々良いですね。
境内の様子 ご覧の様にきれいに整備されている。手水舎脇に赤いリックがあるがそれは私のものです。ゴミではない。
拝殿 あれ、お賽銭箱がない! あとで説明するが実は無いのではない。格子戸のところに小さな穴が開いているのをご覧になれるだろうか。この穴は拝殿ののぞき穴ではなく、ここからお賽銭を喜捨するのである。私もそうさせて頂きました。
拝殿横
拝殿はそのままだが、常夜燈と狛犬は新調されている。
真っ新な常夜燈
狛犬二基 新しいだけに表情が明確に表われている。 愛嬌のある可愛らしいタイプです。
一寸貧弱だが拝殿の鈴
ここで神社の基礎データを与える。Wikipediaには記載があるが内容はいささか貧弱である。幸いこの神社を管理している祇園神社のホームページに幾分詳しい説明があるのでそちらも引用する。 神戸平野祇園神社(車大歳神社) 祇園神社については、こちらをどうぞ。 神戸兵庫区 祇園神社
車大歳神社
車大歳神社 | |
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所在地 | 兵庫県神戸市須磨区車字松ヶ原551 北緯34度41分0.9秒 東経135度6分49.8秒 |
主祭神 | 大歳御祖神 |
創建 | 大化2年(646年) |
例祭 | 10月16日 |
主な神事 | 翁舞神事(1月14日) |
車大歳神社(くるまおおとしじんじゃ)
兵庫県神戸市須磨区車にある神社である。 現在は神職が常駐しておらず、兵庫区上祇園町の祇園神社宮司が兼務している。
ご祭神:
大歳御祖神(おおとしみおやのかみ)
大歳御祖神は、素盞嗚尊の御子神で、宇迦之御魂神(稲荷神)等と同じ五穀豊穣守護の神である。
由緒:
古くは今よりも南にあり、三木街道沿いの今もある字大道(おおどう)はもと大堂と書き、壮大な社殿を営んでいたといわれている。
現代の社殿は、元禄5年に改築されたものである。
毎年1月14日に行われる翁舞神事は、国の重要無形民俗文化財に指定されている。
翁舞神事掲示板
いささか長いが解説文を短縮引用する。
翁舞神事(国指定重要無形民俗文化財)について
翁舞神事は、現在『車大歳神社翁舞保存会』が保存・伝承しています。
地元では、「お面式」「能面の式」「お面の行事」あるいは、単に「お面」と呼ぶこともあります。
行事の創始に関する資料や伝承はありませんが、当地区の家の戸主は隠居するまでに一度は、この神事を営む「ヤド」を勤めなければならないとされています。
隠居前の氏子としての最後の名誉ある御奉公が「ヤド」なのである。
毎年、1月8日から12日までの5日間、ヤドでは、点した1本のろうそくをご神前に見立て、翁・三番叟・露払いの各役、そして笛・大鼓・小鼓方など、そこに向かって集中した稽古を行います。
当日14日の午前、神前に於いてこの神事の奉仕人たちはお祓いを受け、神事の無事舞い納める事を祈願した後、本殿に祀る神面三面を受け、行列を組んでヤドに持ち帰り、縁側より入って床の間におさめます。
翁舞神事は午後6時ごろ各員装束を整え、縁側からヤドに入り最後の稽古の舞が舞われます。午後7時、またもと来た様に縁側から庭に出て行列を整え、小田原提灯で足元を照らしながら神社に向かって参進します。
そして、拝殿において宮司によるお祓いを受けた後、神酒をいただき笛と小鼓によって約1時間の翁舞が始まります。
この舞は呪術性が強く、神面を使って「天下泰平」「国土安穏」「五穀豊穣」を祈願するものです。
当社の翁舞は、よく古態を守って芸能の変遷を示すのに重要ということで評価され、平成12年12月『国の重要無形民俗文化財』に指定されました。
どんな舞が見てみたいと思いますね。それは可能で、つぎの動画をどうぞ。
神戸市須磨区車地区 大歳神社 翁舞おきなまい
拝殿中 上の動画で見る如くここで翁舞などの行事が行われる。
拝殿裏にある本殿 こじんまりとした造りです。
本殿に架かる神額 大歳宮 とある。
本殿左脇の二末社の社
社に大きなしめ縄がかけられている。
左側の小さい社殿 名称不明で何神を祀っているのかわからない。
右側の大き目の社殿 やはり名称不明。
末社横の稲荷社鳥居 小さ目の鳥居で修復されている。
鳥居の額束には 正一位 稲荷大明神 とある。
その石の社殿 玉垣に囲まれ小さな陶器のお狐様が社をお守りしています。
御神燈 というよりその残骸。
拝殿横のご神木 やはりクスノキですがこちらは巨大に枝分かれしている。
本殿脇に壊れた灯籠、狛犬、鬼瓦の壊れ物が置かれていた。処分に困るよね。
大抵の神社ではそうなのだが、参拝者は私1人しかいない。しかし境内をお掃除しているご年配のご婦人がおられた。私より7,8歳年長という方でお聞きすると、村人(とおっしゃった)で月回りの当番がありそれで境内のお掃除をしているそうである。先日は台風18号が来て境内には小枝などが散らばっていてお掃除が大変だったそうだ。なぜお賽銭箱がないのかと伺うと、賽銭箱ごと盗難にあったのだそうです。それで拝殿外には置かないようにしたそうです。お賽銭は穴の中に入れるように教えて下さった。聞かないとわかんないですよね。これは以前読者の森岩光さんが教えてくれた通りでした。荒っぽい仕業の盗人がいるもんです。
この方は1月の翁舞のことを推薦してくれました。地域の方(村人)が車の翁舞の伝承に力をいれているというのもお聞きしました。これからも廃れることなく続けていってほしいものです。
お賽銭投入口はこの穴です。
これでおしまい。
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